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優大に導かれて、枕に頭を乗せる。
俺に体を添わせて俺を見下ろす優大が、慈しむ様に微笑んでいる。
優大の頬に手を伸ばせば、その手を掬って口付けてくれる、優大。
手から腕へ、脇へ、胸へ。
優大の唇が俺の胸の先端を捉える。
舌で弾いて、歯で弾いて、吸い上げる。
「ん、ふっ‥‥」
「気持ちいい?」
答えを待たないで、優大が先端を噛んだ。
背中が仰け反って、優大に胸を押し付けるみたいになる。
舌で先端を押し潰されながら、反対の胸を指で弾かれて、声を止める事が出来ない‥‥
「や、あ、ゆう‥‥だ、い‥‥」
「直希のここ真っ赤になった。いいよ、もっと感じて。」
「あ、やあっ!」
‥‥胸の奥に、光がある。
温かい、光。
少しずつ溶けて流れて、部屋に満ちていく。
優大がくれる快感の分だけ、光は強くなって。
‥‥変なの。
光は俺の中にある筈なのに、光っているのは優大だ。
温かい。
体は熱くて仕方ないのに、優大が、温かい。
優大が舌で胸を攻めたまま、指を脇腹に下ろしてくる。
「そこ!あ、ふうっ!」
「気持ちいいね、直希。」
優大の上目遣いと目が合う。
あ。
匂い。
エアコン強い筈なのに、優大、汗かいてる‥‥?
手を動かして、優大のを探る。
脇腹を擽る手を止めないで、優大が体をずらしてくれる。
固くなってる。
優大、俺を見て、感じてる‥‥。
「直希、気持ちいいよ‥‥」
「ゆうだい‥‥ああっ‥‥」
快感を逃がしたくて頭を振る。
目に入るのはカーテン。
カーテンの隙間に覗くガラスからは網戸の白さは今は見えなくて。
闇。
二人で暮らすこの部屋ごと、俺達を包む、闇。
夏の所為かな、その闇はどこか明るくて‥‥
「あ!」
「どうした?」
「いま、ひかりが‥‥」
「ん?」
「まどのそと‥‥ひかった‥‥」
「流れ星‥‥が見える訳ないよな。光ったんだ?」
「うん‥‥、かみさま、かな、」
「神様?」
本当の優大に気付いた俺を、祝福しに来てくれたんだ‥‥
「ふふっ、直希、神様見えたんだ。‥‥もっと気持ちよくしてやる。」
優大が俺から体を離して、ベッドヘッドのローションを取りに行く。
そして俺の足の間に入ると、優大の腿に俺の脚を掛ける。
優大の手で温められたローションが、俺の後ろを濡らしていく。
「は、‥‥あ、ああっ!‥‥あ、ゆうだい‥‥」
「腰、動いてる。‥‥もう少し、な‥‥」
「ゆう、だい‥‥さわりたい‥‥ゆうだいに‥‥」
「いいよ。」
優大が俺の腰を上げる様に距離を詰めて、後ろに触れていない方の手を伸ばしてくれる。
優大の、手。
俺より大きい、しっとりしてる、手。
繋がってるんだ。俺達。
優大‥‥
「直希、入れるよ。」
「ゆ、だい‥‥」
優大の手が離れていく。
その手は俺の腰を支えて。
ああ、くる‥‥
「直希‥‥」
ゆっくり。ゆっくり入ってくる。優大‥‥
「あ、あっ、‥‥は、ああっ!」
「いいよ、気持ちいい‥‥熱いね、直希‥‥」
「ゆう、だい‥‥」
ゆっくり、ゆっくり。
ああ、抽挿が速くなってきた‥‥
「直希、ん、‥‥んっ‥‥」
「ゆうだ、や、ああっ、‥‥や、あ‥‥ああっ!」
「直希‥‥なおき!」
優大が呼んでる。
俺も呼びたい。
でも、言葉にならない。
熱くて、熱くて。
被さる優大から汗が垂れてくる。
匂い。
果実の。
むせる様な。
優大の。
包まれて、包まれて。
体の奥が蕩けていく。
優大が光っている。
俺の胸の奥が光っている。
光が混じったら。
光が溶け合ったら。
優大‥‥
「はあ、っ、なおき、イきたそうな顔してる‥‥」
「は、あ、‥‥や、ゆう‥‥ああ、‥‥や、」
「いいよ、はっ、自分の扱いてイきな。」
「や、ちが、いらな、あっ、」
「はっ、‥‥いつもみたいに自分でイっていいよ、っ」
「ちが、‥‥ゆうだ‥‥ゆう、だ‥‥」
「なに?」
「ゆうだ、さわりた‥‥あっ、さわりた、い‥‥ああっ」
「っ、‥‥俺?」
「ん!‥‥ああ、ゆうだ‥‥」
目が合う。
優大、触りたい。
ああ、腕が重い‥‥
それでも。
‥‥優大の、肩。
‥‥優大の、背中。
‥‥優大の、優大の体。
‥‥優大。
触れてる手が熱い。
痺れてるみたいだ。
腰の奥が重い。
熱い。
優大。
俺に与えられた奇跡。
優大。
優大‥‥
部屋の中が白くなって。
優大の姿が白くなって。
ああ、いま、ひかりがまじりあっている‥‥‥‥
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