13 / 56

意地悪な罠1

 入学式から二週間が経った。  Cクラスといえど、俺は授業についていくのにいっぱいいっぱいだ。  ここで意外な事実が発覚した。 「ここはこうなんだよ」 「なるほど」  あっくんは頭が良い。  素行の悪さ故のCクラスらしい。 なので、分からないところは授業が終わってすぐに教えてくれる。  不良チームをまとめていただけあって、面倒見もいいし。それに…… 「高城君。僕たちも教えてもらっていい?」 「ぁあ?」 「いいよね、あっくん。俺も教えてほしいし」  クラスメイトの美少年たちが群がってきた。 あっくんはめんどくさそうな顔をしながらも質問に答えていた。美少年は頬を染めてる。  意外にもあっくんは人気があるのだ。  中等部から上がってきた子に教えてもらったけど、男子校だけあって男同士で付き合うことも多いらしい。  最初は皆あっくんを遠巻きに見てたけど、俺があっくんと仲良くしてるのを見て近寄ってきた。クラスに馴染めてよかったよ。 「おい、キヨ。帰るぞ」 「あ、うん」  俺とあっくんは毎日一緒に登下校してる。 「ねえ、他の友達のとこに遊びに行く時は遠慮しなくていいからね。門限だけ守ってくれれば」 「友達なんかいねぇよ」 「えっ? でも……わっ」  あっくんは俺の首根っこを掴んで歩きだした。 「あいつらはそんなんじゃない」  あっくんにとって友達とは不良のことなんだろうか?  それはそれで心配だ。真面目な友達も作ってほしいのに。 「あっくん。不良ばかりと付き合ってちゃ心配だ。真面目な子とも仲良くしてほしい」 「お前、おかんかよ」  あっくんはため息をついて、俺の肩を抱いて引きずるように寮まで歩いた。  ああ、これじゃあ不良とカツアゲされてる子供だよ。またイメージダウンだ。  そんな俺の心配とは裏腹に、周囲の目には俺とあっくんの関係が全く逆に見えていたなんて、この時の俺は知るよしもなかった。

ともだちにシェアしよう!