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意地悪な罠2[side 美少年たち]

[side 美少年たち]  一年生の中でも美形の部類に入る少年たちが放課後の教室に集まっていた。 「あの平凡。高城君と同室ってだけで馴れ馴れしいよね」 「頭も顔も悪いくせに」  彼らは田村清道に対する不満をぶちまけていた。  高城篤は上級生からも密かに人気がある。 背丈も態度もでかいので目立つが、Cクラスではダントツで頭がいい。  それに、ちょい悪な雰囲気もかっこいいしセクシーだ。  早くも親衛隊を……という声が上がっている。それには本人の許可がいるが、高城と同室の田村という平凡が邪魔をしているのだ。 「あいつが高城君の側に張り付いてるから、親衛隊の話もできないし」 「二年の八神先輩が親衛隊長に名乗りを上げてるでしょ」 「八神先輩、綺麗だよね~」  もともと八神は三年の千石隆一郎に熱を上げていたが、千石は風紀委員長になった。  風紀は親衛隊を持たないのがルールだ。  千石も少し悪い魅力と男の色気を持つ生徒だったので、その後釜に高城を推す二年がけっこういるのだ。 「でね、八神先輩からの指示なんだけど、田村のやつを……」 「それってヤバくない!?」 「あいつが勝手にやったことにして、僕らは知らな~いって言ってれば大丈夫だから。それに言い出したのは八神先輩だし」  少年たちは悪巧みに声を潜めた。  自分達は関係ない。その無責任な考え故に、これから罠にはめる田村がその結果、酷いめに合うことに対して罪悪感など感じなかった。

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