24 / 56

あっくんの告白2

「な、なんで?」 「わかんねぇよ。俺、ホモじゃねぇし。でもお前が好きなんだ。あいつにキスされたの見て、すげぇ悔しかった。お前は俺のなのに」 これは……どう受け止めたらいいんだ。 母親を取られたくない息子の心なのか。 「あっくん」 「お前が好きだ。嫌か? 気持ち悪いか?」 「気持ち悪くなんかないよ。嫌でもない。ただ、俺にとってあっくんは息子みたいなんだ」 「は? なんだよ、それ」 「わっ!」 あっくんは俺を抱き上げた。 そのまま自室に入り、ベッドの上に俺をぽーんと投げた。 「ふざけんなよ。ふるならもっとマシな言い方しやがれ」 「そうじゃなくて、あ!!」 あっくんの手が俺のシャツの中に入ってきた。 これ以上はいかん!! 「あっくん! ホモな上に近親相姦だ。あっくん待て! 止まれ! ステイ! ハウス!」 思いつく限りの「待て」を叫んだ。 あっくんは俺に覆いかぶさり、ぷるぷると震えながら笑い出した。 「ハハッ、やってらんねぇぜ。そういやお前、初対面からおかしなやつだったしな」 ひとしきり笑って顔を上げたあっくんは、大人びた男前な表情をしていて、不覚にもドキッとしてしまった。 「諦めたわけじゃねぇぞ、キヨ。一年間は同じ部屋なんだから。じっくり口説いてやる」 「えええ……」 「嫌そうにすんじゃねぇよ」 あっくんは俺を抱きしめて、ごろんとベッドに寝転んだ。 しばらくして寝息が聞こえてきた。 「あっくん?」 寝ちゃったのか。 なんだかとんでもないことになった気がするけど……。 あっくんをちゃんと正しい道に導いてやらねば。 それが現世での俺の役割なのかもしれない。 俺の心は逆に燃えていたのだった。

ともだちにシェアしよう!