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あっくんの告白2
「な、なんで?」
「わかんねぇよ。俺、ホモじゃねぇし。でもお前が好きなんだ。あいつにキスされたの見て、すげぇ悔しかった。お前は俺のなのに」
これは……どう受け止めたらいいんだ。
母親を取られたくない息子の心なのか。
「あっくん」
「お前が好きだ。嫌か? 気持ち悪いか?」
「気持ち悪くなんかないよ。嫌でもない。ただ、俺にとってあっくんは息子みたいなんだ」
「は? なんだよ、それ」
「わっ!」
あっくんは俺を抱き上げた。
そのまま自室に入り、ベッドの上に俺をぽーんと投げた。
「ふざけんなよ。ふるならもっとマシな言い方しやがれ」
「そうじゃなくて、あ!!」
あっくんの手が俺のシャツの中に入ってきた。
これ以上はいかん!!
「あっくん! ホモな上に近親相姦だ。あっくん待て! 止まれ! ステイ! ハウス!」
思いつく限りの「待て」を叫んだ。
あっくんは俺に覆いかぶさり、ぷるぷると震えながら笑い出した。
「ハハッ、やってらんねぇぜ。そういやお前、初対面からおかしなやつだったしな」
ひとしきり笑って顔を上げたあっくんは、大人びた男前な表情をしていて、不覚にもドキッとしてしまった。
「諦めたわけじゃねぇぞ、キヨ。一年間は同じ部屋なんだから。じっくり口説いてやる」
「えええ……」
「嫌そうにすんじゃねぇよ」
あっくんは俺を抱きしめて、ごろんとベッドに寝転んだ。
しばらくして寝息が聞こえてきた。
「あっくん?」
寝ちゃったのか。
なんだかとんでもないことになった気がするけど……。
あっくんをちゃんと正しい道に導いてやらねば。
それが現世での俺の役割なのかもしれない。
俺の心は逆に燃えていたのだった。
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