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制裁2

そんな平和な日々が続いていたある日の放課後。 俺は体育の先生に呼び出されて旧体育館の倉庫まで来ていた。 重いものを運ぶなら、あっくんの方が適任なんだけど、あっくんは別の先生に呼ばれていた。 今年の頭に新しい体育館が完成して、旧体育館は夏休み中に取り壊し予定なんだって。 あんまり手入れされていなくて草ぼーぼーの中にある倉庫だ。夜はお化けが出そう。 「先生?」 カサッと音がして振り返ると知らない生徒だった。 ネクタイを見ると二年生だ。 「こんにちは」 なんか嫌な感じの上級生だな。 とりあえず挨拶しとこう。 「ほんとに地味だな」 「勃つかなぁ、こいつ相手に」 三人組にぐるっと囲まれて、品定めするみたいにじろじろ見られて嫌な気分だ。 着崩した制服からタバコの匂いがした。 こいつら、あっくんとは違ったタイプの不良みたい。 「えーっと……先生、どこかなぁ」 俺はしれっと逃げようとしたが、腕を掴まれて引き止められた。 「なんですか?」 「俺らも乗り気じゃないけど、ちょっと来いよ」 なに? カツアゲされんの?? 「助けて! せんせ……もが!」 口を塞がれて、二人がかりで倉庫の中に引きずりこまれた。 なに!? リンチされんの? 俺、非暴力主義なのに。 「ううッ!!」 ビリッとシャツを引き裂かれて、俺は恐怖に硬直した。 タバコで根性焼きされちゃうのかな。 嫌だ! 怖い!! 「んん!! う、う?」 けど上級生の手は、気味悪いくらい優しく俺の肌を撫でた。 「子供みたいにすべすべだ。意外とイケるぞ」 「俺らも頼まれたんだよ。お前が立ち直れないくらいヤッちゃってくれって」 「ああ、生徒会長の前に二度と顔出せないくらい泣かせてくれってな」 な、なにそれ!? 今度はズボンを脱がされて、俺は別の意味で恐怖に慄いた。 ここは男子校で、男同士でもエッチしてる生徒もいて……これって、まさか俺を…… 「んん────ッ!!」 「大人しくしろ!」 パンッと頬を叩かれた。 痛い。親父にだって叩かれたことないのにぃって、そんな余裕はない! 「やめろッ! 嫌だ、いやっ……うぐ!」 口の中にハンカチを押し込まれて声が出せなくなった。 三人の手が俺の体の上を這い回ってる。 嘘! 嘘でしょ?信じられない。 こんなこと……俺がこんな目に合うなんて…… 誰かッ!! 助けて!!

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