「僕も、征治さんの・・・」 そろそろと手を伸ばす。 今度は遮られなかった。 硬い充溢に触れると、それだけでトクンと心臓が跳ねた。同時に、征治さんのものがビクンと反応し、色っぽい吐息が征治さんの口から洩れた。 「すごく熱い・・・」 凄い色気を垂れ流しながらも、征治さんは「大丈夫？不快感ない？」と聞いてくれる。 「ううん、嬉しい」 だって、大好きな征治さんのものに触れられて、僕が少し指を動かすだけで征治さんの顔に恍惚の表情が浮かぶのだ。これが嬉しくないわけがない。 「もう、この天然ちゃんめ。あー、だけど夢みたいだ。陽向の手が俺のを・・・ああ、堪らない・・・」 やっぱり征治さんは今まで凄く我慢してくれていたんだ。 愛おしい気持ちが溢れてきて、もっと気持ちよくしてあげたいと手を動かした。ほどなく、僕の手も濡れていることに気付く。 ああ、征治さんも感じてくれているんだと思うと無性にうれしくて、ただでさえ征治さんの手に包まれて夢心地だったのが、更に高まってゆく。 「んふっ・・・ああ、征治さん・・・」 「陽向・・・」 向き合って横になりながら、互いの額や鼻をこすり合わせ、唇を合わせ、脚を絡ませ合う。 ああ、征治さん、征治さん。 だんだん切羽詰まってきて、全身で征治さんに縋り付きたいけどどうしたらいいんだ？ その思いが通じたように、征治さんがぐっと身を起こし、僕に覆いかぶさった。 上から降って来たキスに応え、口を開くと征治さんの舌が僕の舌を絡めとり、きつく吸い上げる。 脳が痺れるような感覚に、僕は両手で必死に征治さんの背中にしがみ付く。お互いの屹立が触れ合うと、それは灼熱のように熱く、ビリリと快感を運んでくる。 「んんんっ」 我慢できずに征治さんの口の中に呻きを洩らすと、征治さんが擦り合わせるように腰を動かすので、また快感に繰り返し襲われ、びくびくと体が反応する。 征治さんの背中が汗で濡れ始め、ツルツル滑って縋り付いていられないのが心もとなくて、焦りのような感情を生む。 ようやく、キスを解いた征治さんが少し乱れた声で「手を貸して」と言い、僕の片手を二本の屹立へ運んで一緒に握らせた。反対側から征治さんも僕の手ごと握り込む。 片腕で体を支え、僕の顔を覗き込んで「動くよ？」と言うその表情は、明らかに雄のものだけど、すごく扇情的でまた僕はクラクラしてしまう。 ゆっくりとしたグラインドが始まると、すでに二人の欲情の証しはお互いの汗か先走りかその両方かでもうヌルヌルと滑っている上に、既に限界近くまで追い詰められていて、その強い快感にすぐにどうにかなってしまいそうになる。 「う・・・ああ・・・せ・・い・・じ・・さん・・」 「ふ、大丈夫か？・・・怖かったら、やめるぞ」 この期に及んでそんなこと言ってくれる。 「ちが・・う・・・はうう・・・きもち、いいだけ・・・」 「くそっ」と小さく呟いた征治さんがギュッと目をつぶって顔を顰めた。 でも目を開いた時には、凄く優しい表情になっていた。