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第38話

今までだって数えきれないほどキスをした。 だが、今、交わしている熱く濃厚なそれは、お互いの唾液に媚薬でも入っているのではないかと思うほど、もっともっとと煽るように気持ちを昂らせ、頭をクラクラさせる。 陽向のすべてを食べつくしてしまいたい。 陽向の手を掴み、その白い指を口に含む。 男にしては細くしなやかなそれがキーボートの上を踊るのを見るのが好きだ。ノートにイラストを描いている時のちょっと変わった鉛筆の持ち方。俺の物を慰めるときは最初少しためらいが指先に見えて・・・少しひんやり感じるそれに触れられるとそれだけで激しく興奮する。 そんなことを考えながら、一本ずつ先端から付け根まで舐めていく。視線は陽向に合わせたまま。陽向は自分の手を這う俺の舌の動きをうっとりとした顔で見つめ、時折感じるのか甘い吐息を漏らし体を震わせる。 両手の指と掌まで舐め満足した俺は唾液だらけのそれを解放して、次に食いつくところを吟味する。すると、陽向がべたべたの自分の指を目を細めて見た後、自分の口に運びチュパチュパと舐めた。 おそらく全く自覚の無いその扇情的な姿に、カッと体温が上がる。堪らず陽向の首筋に吸い付いた。 陽向の首筋はなんとも色気があって、そこにむしゃぶりつきたい、噛みつきたい衝動を度々覚える。そこを唇を這わせゆっくり舐めたり吸い上げると、陽向はいつも息を乱し喘ぐ。軽く歯を立てると、体を震わせ先ばしりを溢れさせる。 小さめの喉仏を舌で突き、綺麗に浮き出た鎖骨の窪みを舌でなぞった。 指先で淡い胸の印の輪郭をゆるりと撫でる。最初はあまり反応がなかったそれは、今では立派な性感帯で、今ももっと中心を触ってくれと言わんばかりに陽向が体を捩る。 指を徐々に内側に寄せ、時折中心に触れるようにすると小さな粒がきゅっと立ち上がる。その粒を指の腹でゆっくりこね回し、よりプクリと立ち上がったそこを親指と人差し指で挟んでくにくにとひねるようにすると陽向の腰が揺れ始めた。 大胆に腰を振るのではなく、与えられる刺激に我慢できずにもじもじしてしまうという感じの動きがなんともいじらしい。 胸への刺激は前立腺へ伝わると読んだ気がするので、まだ直接刺激を与えられないそのあたりに熱が溜まってもどかしいのかも知れない。 小さな果実を口に含み、舌で転がす。ちゅうと吸い上げると陽向が「あっあっ・・・」と微かな声を漏らし腰を震わせるので、感じているのが分かる。もっと鳴かせたいと歯を立てれば、「あああっ」と声を上げしなやかに身を反らせて、白い喉を晒す。 同時に手のひらで陽向の肌理(きめ)細かいなめらかな肌を堪能する。脇から肋骨を一本一本確かめるように撫でながら腰へ、腰から締まった尻へ。小ぶりなそれを撫でまわせば程良い弾力が手に心地よい。 先ほどから俺の腹には陽向の立ち上がったものがトントンと触れてくる。早く構ってくれと言わんばかりにそれは透明の蜜をトロトロ零し続けているが、俺の一物もさっき一度出したとは思えぬ充溢ぶりだ。 そもそも陽向に「征治さんが欲しい」と言われた時からスタンバイ状態なのだから無理もない。 もうすぐこれで陽向と繋がるのだ、自分の分身を陽向の中に埋めるのだと思うと、カッカと頭に血が上り興奮に息が荒くなる。

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