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第134話
征治さんが手を伸ばして僕の頬を優しく撫でる。
「ああ、凄く久し振りの陽向の中、すごく気持ちいいよ。中が熱く纏わりついて、動く前から気を緩めると持ってかれそう。でも、なにより・・・嬉しい」
「僕、離れている間、ずっとこうして欲しいって思ってたよ。まだ僕の男性機能が回復してから1年もたってない。それまで僕には性欲すら無くなったと思ってたのに、こんなところまで全部征治さんに作り替えられちゃった。ふふ、責任取ってよね」
僕の内側に埋まっているものが、応えるようにビクッビクッと動いた。
「もちろん、取るよ。まっさらな陽向を俺が開いて、俺がこの体に色々覚え込ませたんだ。そしてこれからずっと満たしてやるのも、俺だよ」
笑みを浮かべながらも漢の顔になり、独占欲を滲ませながら雄のフェロモンをまき散らせ始めた征治さんが、「動くよ?」と僅かに口角を上げた。
僕の奥深くまで埋め込まれていたものがずるりと引き出され、緩やかな挿送が始まった。散々指で解され中を弄られた後だが、圧倒的な質量と熱量の差が桁違いの快感を呼ぶ。
じっと僕を見据えたままの狼の瞳と次第に粗くなる息遣いにあてられて、こちらのボルテージも否が応でもぐんぐん上がってゆく。
「はあはあ・・・あ・・・んんっ」
征治さんが腰を使うたびくっきりと浮かび上がる筋肉の隆起。
「ふぁっ、あっあっ・・・ああああ!」
前立腺を欲望で穿たれ、激しすぎる刺激に身を捩る。浮き上がった腰を大きな手でがっしりと捉えられ、的確にポイントを狙い撃ちされる。
「あ、あ・・・あああっ・・・はううう!」
めくるめく快感にのけ反り、あられもない声を上げることしかできない。
「陽向・・・ここ、気持ちいい?」
「あ、あっ・・・気持ち・・・いい。・・・けど・・・」
「けど?」
「も、いき・・・あああっ・・・も、だめ・・・おかしく・・・なるっ」
腰が勝手にがくがく震えだし、止まらなくなる。
「あああ、も、はぁはぁ・・・征治さん、いきそ・・・」
「達 っていいよ」
征治さんが艶っぽく笑い、舌で自分の唇をぺろりと舐めた。
ああ、なんて綺麗な雄狼なんだと思った直後、とどめとばかりにポイントを激しく穿たれる。
「ひゃっ、ああっ、せい・・・じ・・・さん・・・」
「さあ、達 きな」
ズンと楔が打ち込まれた。
「ああっ、いっ、いくうぅぅぅ!」
僕はがくがくと腰を痙攣させたまま、白濁を飛び散らせた。
だけど、何かいつもと違う。溜まっていたマグマを噴出させた火山は減圧するはずなのに。
「ああっ、なんか・・・変っ・・・あああ!と、め・・・てっ」
腰の震えも止まらず、またすぐに襲い掛かる絶頂感。
まだ突くのを止めない征治さんの動きに合わせて、ひゅる、ひゅる、と僕のものが精を吐き出し続ける。
「あ、あ、だめっ・・・またっ」
とうとう痙攣が上半身にまで及び、止まらない絶頂感に怖くなる。
「せいじさん・・・たす・・けて・・・」
征治さんががばと覆いかぶさり、両腕でのけ反り震える体をきつく抱きしめてくれた。
「んんんんーーっ!」
下腹から熱の奔流がざああっと脊髄をかけ上り、脳内にびしゃっと熱湯をぶちまけられたような感覚を覚えると同時に全身がピンッと硬直する。
しかし、次の瞬間、脳も体もどろりと溶けてしまい、何も分からなくなった。
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