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第136話

「あっ」 急に強く乳首を摘まんで引っ張られ、のけ反る。 肩に軽く歯を立てている征治さんからは、ふー、ふー、と獣のような息遣い。そして、僕の尻の割れ目に自分のものを擦り付けるような仕草。 征治さんが僕を欲しがっている。 突っ張っていた両腕を折ってベッドに肘をつき上半身を伏せた。 背後でゴクリと唾を飲む音。 征治さんの手が双丘の丸みを撫で、トロリと秘部にジェルが垂らされた。 それだけでそこがヒクついてしまう。 やがて、あてがわれる熱い雄の象徴。 ぐっと圧力を掛けられると、先程までの行為で綻んでいた僕の後孔はすんなりと屹立を飲み込み始めた。 「ああ・・・」 「ふー・・・やっぱり熱いな・・・」 征治さんの感じ入ったような呟きにさえ反応して、きゅっと締めてしまう。宥める様に征治さんの手が尻を撫でた。 全てを(うず)め、満足気に鼻を鳴らし、征治さんが言う。 「陽向・・・やっぱり綺麗だ・・・それに・・・」 「それに?」 首を捻って後ろを窺う。 「めちゃくちゃ、そそる」 艶のある笑みを浮かべた征治さんが、両手で僕の腰を掴んでグッと引き上げた。 そこからの征治さんは、正に(オス)だった。 決して乱暴ではないけれど、荒々しく肉棒を何度も突き立て、腰を回して僕の中を蹂躙し、あまりの激しさに僕がくずおれそうになる度、腰を掴んで引き上げては、灼熱を穿ち続けた。 やはりこの格好は、男を獣の(オス)に返すのだ。 雄の本能に従って荒ぶる征治さんに征服されて喜んでいる僕は、男としておかしいのかもしれない。でも、そんなことどうだっていい。 愛する男が理性の:箍(たがを外して(むさぼ)ってくれるのが、僕であるならば。貪欲にお前のすべてを明け渡せと求められるのが、こんなに嬉しいのだから。 「陽向・・・陽向・・・」 「あ・・・征治さん・・・んん・・・」 あんなに出したのに、僕のものは再び勃ち上がり、蜜を垂らしている。 時折征治さんの手が伸びてきて、ぎゅっと握られる。 「はあん・・・」 中と同時に刺激を受けて、快感に身を捩ると征治さんも呻く。 「ぐっ!」 身を倒してきた征治さんにガブリと首の付け根を噛まれた。肉に食い込む歯、耳に届くハッハッと獣のような荒い息遣い。かなり痛いはずなのに今はそれすら興奮に結び付く。 「陽向・・・このまま()ってもいいか?」 頷くと、征治さんは汗に濡れる僕の腰をグッと掴みなおし、ラストスパートとばかりに、猛然と腰を打ち付け始めた。 ガクガクと揺さぶられ、深いところを激しく突き上げられて、僕も限界に近づいていく。 「あ、あっ、もう・・・」 大きな手が僕の屹立を掴んで扱いた。 「ああっ・・・・くうっ!」 一気に絶頂まで駆け上がり、精を放ちながら、無意識に後孔をぎりりと締めつける。 次の瞬間、「くっ、陽向っ!」と雄の唸り声を上げ、胴を震わせながら、征治さんがドクドクと熱い欲情を吐き出した。

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