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第138話

征治さんの首に額を擦りつけ、胸いっぱいに征治さんの匂いを吸い込む。 さっきのお返しとばかりに征治さんの鎖骨を齧かじると、背中に回されていた手が目的を持った動きを始めた。 「え・・・もう無理だよ、何にも出ないよ・・・」 だけど、手は止まらない。 「ん。もう無理させないから。陽向は気持ちよくなってるだけでいいから。ね?」 そんな、可愛く甘えるような「ね?」はズルくない? 「だって・・・プロポーズし合った日の夜の最後がアレじゃあ、あんまりでしょ?いや、俺のせいなんだけども」 両手で僕の顔を挟んで、蕩けるような甘いキスを仕掛けてくる。 「ね?お願い」 甘えているようで、いつもの強引さも見せる征治さんに、さっきまで叱られたコタみたいな顔してたくせにって思うけど。 そんなところまで心底惚れちゃってるんだもんなぁと、腕を伸ばして首に絡みつけた。 言葉通り、征治さんはどこまでも優しく、甘く僕を抱いた。僕は僕の名前を優しく呼び続ける征治さんに全てを任せて溶けるだけ。 だけど、最後は僕を向かい合わせで自分の上に乗せようとする。 僕が躊躇いを見せると 「おいで、こわくないよ。なんで俺がこれが好きなのか知ってる?一番ぴったり抱き合えて、陽向の顔がよく見られて、キスも出来るから。陽向をいっぱい感じられるからだよ」 そういって、迎え入れる様に両手を広げる。 ああ、結局僕はまたトラクタービームに捕まってしまうんだ。 誘導されるままに征治さんの上に収まり、たくさん抱き合って、たくさん見つめ合って、たくさんキスをして。 最後はいつもの様に、夏のギラつく日差しを思わせる眩しさの中で、身も心もしっかり抱き留められる安心感に包まれながら、意識を手放した。

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