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第12話

気がつくと仁川の部屋で少し寝ていたようだ。 身体は鉛みたいに重いが、動けないわけではないな。頭がかなりくらくらする。 こんなところに思春期の男子だけ隔離されれば、性的な欲求は同性にも向くものかもしれない。 仁川が言っていたルームメイトが助け合うってのは、そういうものもあるんだろうな。 服は自分のものではないものを着させられているので、仁川のかもしれない。 ベッドから降りて部屋を出ると、仁川と駒ケ谷がリビングのソファにぐったりと座っている。 「……大介!?お、起きて大丈夫なのか!」 ハッとして駆けよってきた影は駒ケ谷だろう。 「……眼鏡はどこだ?仁川」 「あ、ああ。これだ」 仁川は眼鏡を手渡して、しない方がいいのにと呟く。 眼鏡をかけて近くにいる駒ケ谷を見ると、罪悪感に打ちひしがれた表情をしている。 「勇大、別にルームメイトじゃなくても、助け合いは大事だからな。気にするな」 駒ケ谷もずっと溜め込んでいたのかもしれないな。 俺は肩をぽんっと叩くと、駒ケ谷は目を見開いて俺を呆気にとられた表情で見上げる。 「仁川、服ありがとう。あとで洗って返そう。さて、夕飯に行くんだろ?」 流石に髪がグチャグチャになってしまっている。 しっかり整えていかないとなあ。 「……ダイスケ、お前俺たちに何されたか忘れたなんてことはないよな」 洗面所に向かおうとすると、仁川に腕をぐいと掴まれた。顔は非常に不機嫌そうである。 「ああ、覚えている。動物もオスだけで閉じ込められればよくあることだ。合意はしていないが、きちんと話をすれば問題ないことだ」 別に怪我をしたわけでもないし、体もさほどダメージはない。 「…………オマエ、天然か!?」 思わずといった様子で声をあげる仁川に、俺は不審げに視線を返す。 何を言っているのかまったく分からない。 「ま、いいや。1年間、俺の下半身を面倒みてくれるわけだよな」 「仁川……!大介が分かってないことをいい事に!」 「なんだよ駒ケ谷、オマエも共犯だろ?ダイスケが怒ってないことをいいことに、オマエも無かったことにする?それとも俺と一緒にオトモダチの助け合いしてもらう?」 揶揄うような仁川の言い方に腹がたち、俺は思わずそのアイドルのようにすかした顔をぶん殴っていた。 仁川はよろめいて床に転がる。 少し力を入れすぎただろうか。 「ッい、ってえ!」 「大介?!」 俺の行動に驚いて駒ケ谷は声をあげる。 「仁川。別に俺は怒ってはいないが、同意もしていない。さっきのは相手を逃げさせてしまったのもあるから俺は責任をとった。もし、我慢が出来ないくらい辛かったら助けてやる。まあ相手には不自由していないのだろうから、そんなこともないだろうが。勇大、食堂に案内してくれ」 俺は仁川の態度にかなり不快に思いながらもそのまま振り返らずに部屋を出た。

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