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※第23話

意識を取り戻したが状況は変わらず、俺の身体の中には動く棒が入れられている。 朧げに思い返す記憶の羞恥に死にたくなる。 理性を無くした俺は、久我の意のままだった。 多分いまも、動く棒が動作を始めればすぐに理性はのみこまれてしまう。 隣で眠っていた久我は、俺の気配に目を覚まして、じっと見つめる。 「……田中君、起きたのか」 問いかける久我に、俺は素直に頷く。 「君には……もう、意見などしないし謝るから……こういうことは、もう……やめてくれないか」 自分が悪いことをしていないのに謝るのは本意では無いが、こんなことを続けてしまえば精神がついていけなくなる。 「……そう……」 久我は、じっと俺の様子を眺めて軽く息をつくと、俺の腕の拘束を外す。 「田中君、でも君は昨日僕の恋人になると誓ってくれたけど、それは反故にしないよね」 約束したのだけどと呟きながら、俺の背後から抱き寄せでずるっと棒を引き抜く。 「……悪いが、覚えていない」 俺が謝るとギュッと強い力で抱かれて、首筋に唇を押し当てられる。 恋人とは、男女がなるものではないのか。 「かなり飛んでるみたいだったからね。でも、身体は覚えてるんじゃないかな」 久我は俺の乳首をキュッと摘みあげて、くりくりとこね回す。 「ずっとね、本音を言える相手がいなくて寂しかったって言ったら、君がいいよって言ってくれたんだ」 記憶のへきりんにもないが、それを言ったら怒るのではないだろうか。 そんな話をした覚えなどない。 「悪いが……」 「そう……だね。昨日みたいに可愛がってあげたら思い出すかな」 久我は俺の顎をとって唇を押し付けゆっくりと内部を舐めまわす。 それだけでじんじんと下半身が熱くなり、弄られている乳首が固くなっていく。流されてはいけないし、腕は自由で殴り倒せる状況なのに力が入らない。 ちゅくちゅくと唇がうごめいて、下唇を軽く噛まれるとびくんと腰が震えて、下半身が熱を持ち始める。 「……んんッ……や、っだ」 「おちんちん、勃っちゃったから?」 腰が自然に浮いてしまい、囁かれただけで身体中の穴が開いてしまうような感覚に襲われる。 「いやらしいね、僕にお尻を擦り付けてるの、わかる?」 俺は浮いた腰を浅ましく久我の腰に押し付けていた。 「僕の恋人になるなら、優しく愛してあげる。ならないなら、どうしようかな。皆に田中君がいやらしいってこと教えてあげようかな」 無理矢理恋人になるのは違うと思う。 身体は確かに久我を求めているとは思うが、そうじゃない気がする。 「……悪いが、ならない」 俺はもう一度久我に拒絶を伝えた。

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