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第31話
メガネは踏んでも割れないという薄いグラスゴーグルを沢崎に選んでもらった。
ボールが当たっても割れないらしい。
キーパーはかなりの確率で眼鏡にボールが当たるので割れない素材は本当に嬉しい。
重さも殆どないのが、本当にすごい。
ついでに、薄手のガラスの眼鏡も作ってもらったが、祖父の肩身の眼鏡はし続けようと思う。
ついでに、サッカーの練習着と私服と下着などもひと揃え選んでもらった。
下着の趣味も彼らにとってはありえなかったらしく、名前は書かなくていいと強く言われた。
どうやら、久我から回収した制服と下着などを見られたらしい。
「一日中付き合わせてすまなかったな」
「オレは好きでしてることだけど……先輩、ありがとうございます!」
ぺこりと駒ケ谷が、沢崎に頭を下げて荷物を車に積み込むのを手伝ってくれる。
好きなものを買えと渡された家族カードで、かなり買い物をしたので叔父に報告をいれなくてはならない。
「そういえば、大介、携帯もっていないのか?」
「叔父に渡されたが必要ないから、部屋に置いてある。」
「充電してる?」
問いかけられて首を横に振る。
電話を使うところも用事もない。
叔父からは連絡がきているかもしれないなとは思う。
「連絡ややりとりは、基本携帯のアプリだから……使おうよ」
駒ケ谷に言われて、俺はどこにしまったか思い返しつつ頷いた。
今日は部屋に戻らないとならないな。
別に一昨日の様子なら仁川は問題なさそうだ。
久我については、少し警戒しないとならないが。
「携帯にはGPSもあるからね。何かあったらすぐ連絡よこせよ」
車の後部座席に再び座ると、俺は頷く。
「子供ではないから、そこまで心配することはないだろ」
「大介は自分を知らなすぎるからな……」
はああとため息をつく駒ケ谷に笑いかける。
「でも、心配してくれるのは嬉しいことだからな。自分でも気をつけるが、俺が思うにこの学園がかなり特殊な環境なのだ、と思うぞ」
「そうだね。だけど、この学園の生徒は殆ど一貫教育だから、他の場所を知らないんだ」
駒ケ谷はそれが問題なんだと付け足して、肩をそびやかせた。
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