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※第33話
今までこんな風に身体が熱くなったりするようなことはなかった。
連日変なクスリを使われたからか、副作用を起こしているのかもしれない。
仁川が囁いた言葉がぐるぐるとするが、忘れて寝ようと心に決めて目を閉じる。明日からは授業があるし、しっかり予習もしないとならない。朝起きてから、ゆっくりやるにしても、寝不足はよくない。
ちゃんと寝付かないと。
大きく息を吐いて、下にはいていたスエットを引き下ろす。
あまり自慰は好きではないが、背に腹は変えられない。
パンツを引き下ろしかけた時に、コツンコツンとドアが叩かれて、驚いてパンツを引き上げる。
「な、に?」
焦って舌を噛みそうになる。
「ダイスケ、なんか熱っぽそうだったから、ハチミツミルクを作ってきた」
仁川の真摯な申し出に、胸をうたれる。
これは断れない。
自分のことしか考えていなかったような彼が俺のためにホットドリンクを用意してくれたのだ。
断って、親切をすることを嫌になっては困る。
「いま、開ける」
部屋の扉を開くと、トレーに載せたマグカップを渡される。
「……大丈夫か、された、何かが気になるんだが」
聞き辛そうに問いかけられて、俺は部屋の中に仁川を入れる。
「……ああ、後遺症があるかもしれないが、痛みとかはないから」
安心してと伝えてマグカップの中味を飲み干す。
暖かくてじんと染み渡る。
「この学園じゃ普通かもしれないが、久我とその仲間たちと、セックスをした。田舎から来た俺にはなかなかそういうのに、慣れない」
仁川は驚いたような顔をする。
「別に普通じゃなくて……俺が最初にしたから悪いんだけど」
「普通じゃないのか……」
「有り体に言えば、リンチみたいなもので」
ごにょごにょと言いつらそうに言葉をのみこむ。
「お前のもか?」
「相手に逃げられた腹いせもあったけど、夢中になれなった。ダイスケが好きだ」
真っ直ぐに訴えられて、俺は戸惑う。
「分かってる……って、そんなこと言えないのは。ダイスケを俺は性欲解消に使ったし」
悲しそうな表情に、俺はなんだか胸がモヤモヤしてくる。
別に綺麗な気持ちなど、嘘くさいだけだ。正直な仁川には好感がもてる。
「なら、俺の性欲解消に付き合え。それで、チャラだろう」
俺は仁川の手を掴み、既に勃ちあがり反り返る肉へと押し当てた。
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