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……明日は、見せ付けるとかしないで………楽しいダブルデート、に……なると、いい……な……… 思考が次第に溶けていき、手からスマホが滑り落ちる。 床に転がる、小さな光。 その光がやがて消え、部屋全体が闇に包まれると、壁に身を預けた僕は夢の世界へと旅立っていった。 ……ん…… 首筋に、ザラリとした熱いものが這い上がってくる。 不快な感触ながら、どこか爽やかな匂いのせいで嫌な感じはあまりしない。 ……あれ、これって…… フェイスラインを舐められ、パチンと目が覚める。 「……おはよう、小太郎」 「わぁ…っ!」 僕の顔を挟むようにして両手をついた茶々丸が、爽やかに口端を上げて見下ろしていた。 ……な、なんで……? ボッと顔に火が付き、慌てて視線を逸らした。 そんな僕にクスリと笑うと、茶々丸は僕の隣に身を横たえ肘枕をつき、もう片方の手を伸ばして僕の頬に指を添えた。 驚いて茶々丸に視線を合わせれば、すぐそこには端正な唇が…… 「……な、なっ…!」 「何って、……おはようのキス」 「お、おは……、」 茶々丸の吐かれた台詞に、脳が沸騰しかかる。 そんな僕の様子を見た茶々丸は、これ以上にないキラースマイルを僕に見せつけた。 ……か、からかってたの……?? 恥ずかしくなって目を伏せる。 と、視界に映り込む茶々丸の彫刻の様な美しい裸体に、不覚にもドキッとさせられてしまった。 「……ん?」 ……あれ、昨日確かパジャマ着てなかったっけ……? 「ねぇ、見て見てっ!」 茶々丸の背後から、ミルクがバーンと姿を現す。 「可愛いでしょー!」 白髪のツインテール、メイドカフェ店員の様なひらひらとした服。 その可愛らしい顔立ちのミルクは、体の線の細さも手伝って、どこからどう見ても女の子にしか見えない。 くるんと一回転して見せれば、短いスカートがふわりと持ち上がり、その下の絶対領域が見えそうになる。 「……あっ、コタローのエッチ!」 スカートの前を両手で押さえると、透き通る様な白いミルクの頬が、みるみるピンク色に染まる。 「……ご、ごめん」 条件反射的に謝り、慌てて視線を逸らす。 視界の端で、ミルクがイタズラっぽい笑顔を浮かべていた。 「ねぇ、コタロー。 今日はいぃーっぱい、イチャイチャしようねっ!」

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