30 / 81
3
三人の被服代や食事代もそうだけど……
ミルクはお洒落にお金をつぎ込むし、アオは優雅に毎日喫茶店通いしているみたいだし、茶々丸はミルクに付き添いながら外食を楽しんでるようだし……
……まぁ、でも
必要なものを買うからと言われて、お金渡しちゃってた僕もいけないんだけど……
「…………」
バイト時間増やそうかと、店仕舞の時に来た社長に相談したら……
『……ごめんねぇ、うちもそこまで売り上げがある訳じゃないから……』
ってさり気なく断られちゃったし……
古くからの常連さんだけで持っている店だから、やっぱり難しいよね……
……困ったな……どうしよう……
「あ、あの……」
夕食が終わり食器を片すと、部屋で寛ぐ三人に声を掛けた
「……そ、相談が……あります」
テーブルの前に正座をし恐る恐る言うと、片肘を立てて横になっていた茶々丸が体を起こす
それにつられる様に、ミルクとアオも渋々といった様子でテーブルについた
「……えっと……三人とも、お金を使いすぎてます……」
ドキドキしながら一息で言ってしまう
三人の視線が一斉に集まると、緊張して視線が落ち着かない
胸を押さえながら再び口を開く
「今月はもう赤字で………こ、このままだと、四人で生活できなくなっちゃいます……」
「……ん?」
僕の言葉に、茶々丸が反応する
見れば、ミルクとアオもピンときていない様子だった
……あれ、もしかして
お金の意味とか大切さとかがよく解ってない……?
……え、えーっと……そこから話さないといけないパターン……?
それって、理解して貰うまで大変そう……
純粋な目を向けてくる三人に、苦笑いを返す
「……あ、あの……生活できないっていうのは、ここから追い出されてしまうって事で……」
「えー!」
ミルクが獣耳を垂れ、心外だと言わんばかりの顔をし、不満げな声を上げる
と、アオが腕組みをし、獣耳をピンと立てて僕をじっと見据えた
「……つまり貴様は、このオレ様達を段ボールにでも詰めて捨てるという事だな?」
……え……
瞬間、この三人が捨て猫だった事を思い出す
ともだちにシェアしよう!