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どうして捨てられたのかはわからない 金銭的な理由なのか、或いは引っ越し等の環境の変化なのか…… 『オレ様の体を、元に戻せ ……そして、景虎の所へ、連れて…行け……』 あの時、玄関前で倒れている裸のアオにそっと声を掛けた そしておずおずと肩に触れる 「……!」 びっくりしてすぐに手を引っ込める 火傷してしまいそうな程肌が熱い…… アオを抱えて家に入る 廊下に座らせ、取ってきたバスタオルで髪や体を拭く 熱いのか寒いのか、アオの体が小刻みに震えていて……苦しそうにハァハァと肩で息をしていた アオの腕の中でぐったりしていた二匹の猫…… その子達をフェイスタオルに包もうとして、学校帰りに牛乳を上げた捨て猫だと気付く……… 「……小太郎?」 茶々丸の声でハッと我に返る 三人に視線を移すと、こちらをじっと見て僕の言葉を待っていた 「そ、そんな事しないよ……!」 慌てて両手を振りながら口を開くと、三人が一斉に安堵の溜め息をついた 「……それ位、お金は大切なものなんだよって話で……」 「ん?」 茶々丸が先程と同じ反応をする 見れば、またミルクとアオもピンときていないようだ…… 「………」 ……全っ然、解ってない…… この顔は絶対解ってない…… まぁ、僕の説明が下手なのもあるけど…… はぁっ、と半ば諦めの溜め息をついた ……いや、やっぱりちゃんとお金の事も、一から説明して現状を理解して貰おう…… 夕飯を終え、一人湯船に浸かりながらそう決心する このままだと確実に、赤字どころか家賃が払えなくなって立ち退かなければならなくなってしまうし…… 「………」 だけどあの三人、ちゃんと節制してくれるかなぁ…… 特にミルクは、不満を漏らしそうだ…… ガチャ…… そんな事を考えていると、浴室のドアが開く 驚いて見ると、そこには髪をアップさせた裸のミルクが立っていた 「コタロォー!」 「……わぁっ!」 満面の笑みを浮かべ中に入ると、浴槽に片足を入れる 「……な、ななっ!」 驚きすぎて目をチカチカさせる僕に、ミルクは口角を少し上げイタズラっぽい瞳を向ける そして全ての指を折り畳んだ手を口元に寄せ、クスッと笑った

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