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「…わっ、……」
気付けばミルクが僕の太腿の上に跨ぎ、上から僕の顔を覗き込んでいる
触れ合った下肢、そして湯船から出た上半身はシルクの様に滑らかで、キラキラと輝き
胸にあるぷくっと膨らんだ小さな二つの突起は、白い肌に映える綺麗な桃色をしていた
それはまるで、降り積もる雪の中、春の息吹をじっと待つ、桜の蕾の様に可憐で……
だけど、僕を見下ろす大きな瞳は、屈強でどことなく雄っぽく…
そのアンバランスさに、ドキッとさせられる
「嬉しい!」
両肩に手を置かれると、さくらんぼの様なミルクの唇がスッと近付く
「……っ、…み、ミルク……?」
無防備な首筋を食まれ、ぢゅっと吸われ、熱い舌が這わされる
「……ゃ、っ」
ぴくんっ、と震え首を竦めた僕に、悪戯っぽい瞳の光を見せたミルクは、おかまいなしに今度は肩をぺろりと舐める
「ゃだっ……」
ゾクッ、と体が粟立つ
擦れ合う肌と肌
ミルクの甘い匂い……
何だか変な気持ちになり
妙に暴れてしまう心臓を抑える
「……な、何……、」
「何って、……感謝の毛繕いだよっ!」
……け、毛繕いって……
僕は猫じゃ……
「……ぁ、み、ミルク……ゃめ……」
顔を近付けてくるミルクにイヤイヤをし、クロスさせた両腕を顔の前に構えた
揺れる水面……湿った空気……
……熱くて逆上せそうで……頭がクラクラする……
「……えー、やだぁ…」
からかう様に言ったミルクの唇が、その腕に押し当てられる
細い指に掴まれ左右に割り開かれると、悪戯っぽい瞳を輝かせたミルクが近付き、思わずギュッと目を瞑る
「……ゃ、」
ぺろりと頬を舐められ、そこを両手で包み込まれ、鼻先にチュッ、と唇が押し当てられる
「……!」
恥ずかしくて、熱くて擽ったくて……おかしくなりそうで……
……もう、無理……
瞼を閉じたまま、涙がぽろりと零れ
ミルクの細い指に伝う
「……コタロー」
「………」
頬を包んだまま、ミルクの親指がそっと涙の跡を拭う
おずおずと瞼を上げれば、真面目な顔をしたミルクが視界に映る
その潤んだ大きな瞳は、悪戯の色がすっかり消え、真っ直ぐ僕を見据えていた
その変化に戸惑いながら、ミルクをじっと見つめ返す
「……可愛いすぎ……」
「え……」
見ればミルクの白い頬が、ほのかにピンク色に染まっていた
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