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ぐらぐらと脳内が揺れる 足元がぐにゃりと歪み、立っていられなくなった体が 仰向けのまま、ふわりと浮かび上がる ……まるで真っ暗な闇に、がっしりと抱き抱えられているみたい…… 手品の、空中浮遊のようで不思議な感じ ……だけど、怖くない 「………、……〰」 「……〰〰、っ!」 くぐもった声 水の中でお喋りしてるみたいだ ……何て言ってるんだろう よく聞こえない…… 耳を研ぎ澄ませ、声に集中する 「……〰〰、逆上せたのだろう」 あ、茶々丸の声…… 「寝かせておけば、そのうち目が覚める」 「……ほんとにぃ?……ほんとにホントにほんとぉ?」 ミルク…… ……良かった、いつものミルクだ…… ぶらん、と垂れ下がった腕の手指が、ぴくりと動く 僕を抱き抱えている腕はがっしりとし、厚い胸板の感触、海風のような爽やかな匂いを微かに感じる ………茶々丸が、僕を運んでくれているんだ…… 次第に体の重みを感じ 垂れ下がった手や足、そして少し乾いた髪までもが、茶々丸の動きに合わせて揺れ動くのがわかる 背中に布団が当たり、ゆっくりと頭と足が下ろされる 仰向けに寝かされた僕は、その布団に沈んでいく感覚を覚えながら………先程とは違う心地良さ感じ、安堵した 「それより、アオが熱を出したようだ」 「……、アオが?!」 「熱の処理の仕方は、この茶々丸には到底解らない……何が必要か、買い物に付き合って教えてくれないか?」 ……熱? アオ、風邪引いたのかな…… それなら風邪薬があるのに……体が、動かない…… 「頼む、ミルク」 「……わかったよぉ……」 なんとなく、後ろ髪を引かれるようなミルクの視線を暫くの間、感じる ……そして遠ざかる、二つの足音 「………」 指先がぴくりとも動かせないまま 僕の意識は、また何処かへと離れていった どれくらい経ったんだろう…… ふと目が覚め、真っ暗な部屋の中にいるのに気付く 「………」 違和感に囚われ額に手を伸ばすと、濡れたタオルが載せられていた ……茶々丸が? それともミルク? だけど、薄れゆく意識の中で、二人の足音は玄関へと消えていった事を思い出す それに、二人が帰ってきた様子も感じられない…… ……じゃあ、これは…… 「………」 少し温まってしまったそれを外し、身体をゆっくり起こす まだくらりとし、貧血の様な痺れは感じるものの、先程の比ではない ……アオが……? まさか、ね…… 立ち上がって布団から下り、そっと居間へと向かう

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