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ぽろぽろと涙が頬に触れずに零れ落ちる
地平線と空の境界線の様に
アオと僕の心は、触れ合うことなんてないのに……
コップをぎゅっと掴むと、背を向けたアオをチラリと見る
瞬きする度に零れる涙は
部屋に差し込む光で一瞬宝石の様に輝き
すぐに闇の中へ吸い込まれるように落ちる
その涙をそのままに
膝を抱えてぎゅっと体を小さく丸める
「………」
首を前に倒せば
サラリと髪が流れ落ち
無防備な首筋が現れる
そこに付けられた赤い痕が二つ
暗い部屋の中で、寂しく揺れた
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