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ザラザラとした舌が絡まり、ぴくん、と体が震える ミルクの鎖骨辺りに触れ、軽く押し返すも、ミルクの舌は解放してくれない 「……ふ、ぁ……ぅン…っ…」 ミルクの甘っとろい匂いが強くなり、胸の奥がふにゃんっ、となって力が抜けてしまう…… ……チッ アオの舌打ちが近くで聞こえたと思えば、肩を掴まれ、ミルクから引き剥がされる 「……貴様……」 ミルクに向けられた、アオの鋭く尖った瞳 しかしそんな威圧にも屈さず、ミルクの瞳が獣色に変わる そして濡れた自身の唇を舐めとると、からかうように口角をクッと上げた 「小太郎、貴様もだ!」 ガラス玉の様な青い瞳が、解放された僕の方へと向けられる 「……ご、ごめんなさ……」 眉尻を下げ、少し逆上せてしまった顔のまま、アオを見上げる ……と、アオの顔がスッと近付き、濡れそぼった僕の唇に、アオの唇がそっと重なる ……え、えっ…… 触れたのは、ほんの一瞬…… ……だけど…… 「隙があるにも、程がある……」 ぶっきらぼうな声 軽く舌打ちをし、すぐに僕から顔を背ける 一瞬見えたその頬は、今まで見た事がない程真っ赤に染め上げられていた テーブルを囲み、遅い夕食をみんなでとる そこに並んでいたのは、皿に盛りつけただけの美味しそうなスーパーの惣菜たち 「………」 ……あれ……ミルク、料理してたって言ってなかったっけ……? そう思ったけれど、そこは敢えてツッコまない事にした 「……あの」 箸をそっと置き深呼吸をした後、思い切って口を開く 一斉に三人が僕に顔を向け、視線を注がれ緊張してしまう…… 「……し、心配かけてしまって、ごめんなさい……」 そう言って頭を下げる 「それと、お金の事で色々言って、不安に感じさせてしまって……ごめんなさい……」 顔を伏せたまま、膝に置いた手をギュッと握る

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