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おまけ
「……あの、茶々丸……昨日はお風呂で逆上せた僕を運んでくれて、ありがとう」
箸を持ったまま、茶々丸を真っ直ぐ見つめて言った
そしてすぐミルクに顔を向ける。
「それとミルク。僕に濡れタオルしてくれてありがとう」
「……えっ!」
僕の言葉に反応し、ミルクが驚いた声を上げた。
「……ああ、それは多分アオだよ」
静かに茶々丸がそう言うのを聞いて、チラリとアオに視線を移す。
「……なっ、!……た、偶々、濡れタオルを持って部屋の前を通りかかったら、うなされた小太郎が目に入っただけだっ…!」
「へぇー、」
アオの言葉に、ミルクが意地悪そうに眉を吊り上げて笑った。
「ホントにぃ…? それだけぇ…?」
「……な、何を言うか!」
「発情に任せて、キ……」
「き、……貴様と一緒にするなっ!」
僕の目の前で、ミルクとアオのバトルがまた始まってしまった……
「……あ、あの……!」
戸惑いつつ、アオに声を掛ける。
すると二人が僕の方に顔を向けた。
「ねぇコタロォー。ボクが発情期に入ったらぁ、……処理、させてねっ!」
首を少し傾け、屈託のない笑顔でサラッとそう言ってのける。
……えっ、し、処理……って……?
「……う、うん」
戸惑いながらこくんと頷く僕に、アオが青筋を立ててチッと舌打ちする。
「貴様。処理の意味をわかってて言ってるのか……?!」
「……え……?」
目をぱちくりとさせると、アオの頬がみるみる赤くなっていく。
「アオ、大丈夫?……まだ発情期、終わってないんだよね……」
アオの顔を覗き込めば、アオはフィッと顔を逸らした。
「辛いならその処理……一緒に、しよ……?」
瞬間、その場の空気が一変。
ミルクもアオも茶々丸も、目を丸くし動きが止まる。
「……え?」
その空気に驚いて、キョロキョロとみんなの顔を見比べた。
「……し、処理って……」
その後、意味を知った僕は、かぁっと顔が熱くなり、みんなに顔向けできなくなってしまったのだった。
【おまけ終】
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