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改めてミルクの全身コーデに目を移す。 緩く纏め上げた、艶やかな白髪、白を基調とし大きめの花柄の、ギャザーワンピース。ノースリーブから伸びた、透き通る様に白く細い腕の先には、麦わらのカンカン帽。 ナチュラルメイクが更に清楚な雰囲気を醸し出し、好んでよく着るメイドっぽい格好のミルクとのギャップに、不覚にもドキッとさせられてしまった。 「……あれぇ……もしかして、ミルクに惚れ直しちゃった?」 「そ、そんな……」 「……照れてるコタロー、可愛い!」 僕の様子を敏感に感じ取ったミルクが、からかう様にぎゅうっ、と抱き締める。そして、僕の首筋に柔らかな熱を当てながら、Tシャツの裾からするりと、細い指が肌を滑り上げていく。 「……ぇ……ち、ちょっと……ミルク……」 「ん、なぁに?」 「……ゃ、あっ……!」 その指先は、簡単に胸の小さな膨らみを見つけてしまう…… 羞恥で顔が熱くなりながらも身を屈め、服の上からその手を何とか阻止する。 しかし、そんなのお構いなしと言わんばかりに、熱い息を吐いたミルクが僕の首筋に歯を当てた。 ……ビクン、と反応し首を竦めれば、そこを柔く食まれ、ぢゅっと吸われてしまう…… 「……ゃ、やめ……」 「こらこら」 シャワーを終え、部屋の入り口に立つ茶々丸が、壁に片肘をつきミルクにキラースマイルを向けた。 茶々丸の瞳に軽く制されたミルクは、シャツの中に入れた手をすぐに引っ込める。しかし、僕から退くつもりはないらしい……べったりとくっつき、僕に頬を擦り寄せてくる。 「……そ、そういえば、茶々丸はどこに載ってるの?」 慌てて茶々丸に笑顔を向ければ、顎先を僕の肩にのせたミルクが、机上のフリーペーパーに手を伸ばしてペラペラと捲った。 「じゃーんっ、これだよ!」 〖♯お願い! 茶々丸王子◦*〗 僕を駅まで迎えにきた時と同じ、黒のカットソーを着た茶々丸のキラースマイル姿。写真加工されキラキラが周りに飛んでいるけれど、それがかえって茶々丸の良さを邪魔している様な気もする…… 「……あれ……茶々丸は、モデルじゃないの?」 胸から上だけの写真。 そして女性との対談の様子とその内容がそのページに載っていた。

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