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Ⅱ マジで恋するお兄様②
「気に入ってくれるといいのだけれど」
なになに?
こんなお兄様だけど、センスだけはいいんだ。
なんだったか……ビジネス雑誌に載った事もあるもんねっ
あの時は、しばらくモデル事務所からのスカウトが絶えなかったらしい。
俺のお兄様は、黙っていればカッコいいんだ!
(※『黙っていれば』を強調)
「邪魔になるといけないから、日用品にしたんだ」
「うん♪使わせてもらうよ」
「郁巳。1ヶ月前誕生日、おめでとう!」
「ありがとう。お兄様」
なんだろう。
ドキドキする。
重さは……軽いな。
夏だから、ハンドタオル
それとも日焼けよけに、メンズのストールかなぁ……
金のリボンを紐とく。
ドキドキ……
ドキンッ!!
………………なに、これ。
「普段使いにどうかと思ってね」
白い……三角形の~
「いくつあっても、困らないだろう」
困らない……
普通はね……
これは~
後でそっと、クローゼットの一番奥にしまっておこう。
「早速だけど、身に付けてくれると嬉しいな」
「ハァァ~?」
「お前に似合うと思う」
「なに言って!」
まだ熱中症かッ
頭が沸騰してるのかッ
「私の目に狂いはないよ。絶対お前に似合う!」
狂っとるわーッ!!
「さぁ。今すぐ、私に見せておくれ」
クイッと、指先が顎を持ち上げた。
「お前の慎ましやかな白ブリーフを!!」
「誰がはくかァァーッ」
「………今、なにか言ったかい?」
冷冽 な双眼の水底がキランッと、揺れ蠢いた。
「お兄様の心を込めたプレゼントを拒む……なんて、悪い子じゃないよね」
うっ
で、でも~
白ブリーフ、だ。
「俺、大学生だよ……」
「大学生である前に、お前は私の弟だ」
うぅ~っ
藍を溶かした宵闇色の黒瞳の檻が、俺を捕らえている。
「『使う』って言ったよね?」
「うっ」
「『使う』って、お兄様とした約束を破るのかい?」
「……い、や」
「嫌?……まさか嫌と言ったのか。それとも、私の空耳かな?」
「いや、そうじゃなくってぇ~……
お兄様のくれた物をはくの、もったいないなぁ……って。しばらく飾っておこうかな?」
いいぞ、俺。
上手い事、逃げた!
「お前が、そう言うと思ってたよ!」
………………へ?
「やっぱり、私達は兄弟だね。以心伝心だ。
お前のために、部屋に飾る用 白ブリーフは、ちゃんと用意しているよ!」
バーン★
ギャアァァァァ~~♠
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