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Ⅲ いま、吹き荒れる嵐!⑦
「お前……よもや二人の巨根で、夜な夜ないかがわしいコトをしているんじゃないだろうね」
ギロリ
感情を透過しない、真っ黒い闇色の双玉に睨まれて、背筋にゾワゾワ、冷たいものが這い上った。
「ままっ、まさかっ!」
……プププッ
おい、そこの二人。笑ってるのを隠してるつもりだろうが、頬っぺた緩んでるぞ。
誰のせいで、俺がこんな目に遭ってると思ってるんだ!
「よく見てください。あの二人を。色気のないあんなの見ても、なんとも思いません」
頬っぺた膨らますな。
お前達の大事なアレ、お兄様に没収されてもいいのか?
……プルプル
……ブルブル
そうだろう、そうだろう。
取られたくないよな。
だったら、おとなしくしてろーッ
「色気……か」
神妙な面持ちで、お兄様が顧みる。
「お前が、そう思ってるだけなんじゃないのか?」
「お兄様の勘繰りすぎですよ」
「だったら、どうして……」
秀麗な眉尻が、ピキンッ
跳ね上がった。
「彼らは私と同じ、ブーメランをはいているのかなァッ」
「なに言ってるんですか。こいつらはボクサーパンツ……」
じゃないーッ!
ヘンゼルがブルー
グレーテルがピンクのっ
ピッチピチ ブーメランだァァァーッ★★★
お前達、どうしてっ
昨日まで、ローライズのボクサーパンツだったじゃないかっ
「早朝特売行ったら、衣料品コーナーでな」
「タイムセールしてたんだ」
なにぃッ
「せっかくだから、はき替えて帰ってきたんだ♪」
「イクミを驚かせようと思って★」
驚いたわーッ!!
これ以上ないくらい!天地が逆さまになるくらい!驚いたわーッ!!
なぜ、今、このタイミングで~
お兄様の前でセクシー下着を披露したんだァッ
「セックスアピール、完璧じゃないか」
うっ、うっ、うっ……
深淵の闇を宿す双眼が、心臓をキリキリ絞めつける。
「二人とも、お前の大好きな巨根だね」
ヘンゼルのブルー
グレーテルのピンク
卑猥な突起物が小さな布地を内側から押し上げて、くっきりやらしい形が見えている。
「イク……」
「イクミ……」
謝ったって遅い。
許してあげないからな。
「後ろも見るか?」
「ジャーン!」
ギヤァァァァ~~♠!!
お尻の割れ目が見えてるゥーッ!!
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