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Ⅳ 風呂はジェットコースター③

顔をぶつけないよう、器用にかわしながら、二人が二本の舌で口内を犯す。 内壁を撫でて、舌を絡めて、交互に突っついて、また戻って、上顎と下顎を舐める。 フゥぅ、フゥぅ 息が繋げない。 飲み込めない唾液が溢れても、舌は動きを止めない。歯列の裏側にも、舌の根元にも絡みついてくる。 フゥぅン、フゥぅうー 頭の芯が、ぼぅーとする。 口の中に三つ舌があるなんて…… 二つの舌は俺の意思とは関係なく、口内をグルグル巡り巡って、唾液をかき混ぜてくる。 頬の内側をつつき、歯の裏側舐めて、思わず引っ込めた俺の舌を追ってくる。 フワアァアー ようやく舌と、舌と、舌が離れた時には、口の周りがベトベトで唾液まみれになっていた。 「イク、頬っぺた真っ赤」 つんつん……チュッ 指でつついた頬を、ヘンゼルが唇で啄(ついば)む。 「耳も真っ赤だよ」 ハムハム……チュッ 耳朶の触感をもちもち確認した唇が()んで、キスを落とした。 「イクさぁ……」 「イクミさぁ……」 湯煙の中で、碧眼と灰銀の眼が悪戯っぽく揺れている。 「口の中に、なに挿れられると思ったのかなー?」 「なんだと思ったのかなー?」 ナァァーッ、それを聞くかァァッ 「教えてほしいな?」 「教えてくれるだろ?」 にこにこ♪ にまにま♪ 確信犯の笑みだ。 そそ、そんなのっ。あの流れだと、アレだと思うじゃないか。 言えない!絶対、言えない! 「イク、可愛いなぁ」 「目元まで赤くなってる」 チュウゥーっ 耳の裏の首筋に、右と左、唇と唇が舞い降りた。 小さく噛まれて、痕をつけられた。 プッ 二人が一緒に吹き出した。 「やっぱり、俺をからかったのかー!」 アハハハハー バスルームに笑い声が反響する。 「俺達はイクの嫌がる事はしないぞ」 「イクミが大好きだからな」 うー。それを言われると、文句言えなくなるじゃないかァー 「もしかしてイク、怒ってる?」 「まだ顔が赤いし……」 碧眼と灰銀の眼が、俺の顔をまじまじとのぞき込む。 瞳の水底を、不安で揺らして…… ………嫌じゃなかった。 舌二本、同時に挿れられても~ 「顔が赤いのは……」 二人の視線から逃れるようにして、うつむいた。顔が熱いから俺、まだ真っ赤なゆでダコさんだ。 「……ちょっとビックリしただけだから」 あーもうっ なにやってんだよ、俺~ 「イク、可愛いー♪」 「イクミ、可愛いー♪」 「わわわっ」 引っくり返らなかったのは、ヘンゼルとグレーテルに左右両側から、ぎゅうーっと一緒に抱きつかれたからだ。 「今度は俺達の……」 ウギャ♠ 抱きしめて腰振るな、ヘンゼル! ナニをブルンブルンして、主張するな! 「一本ずつ、お口に挿れてあげるからなーっ」 グレーテルぅぅーっ お前もかァァァーッ! 脚の付け根の太い幹を、俺にすりすりするんじゃないーッ!

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