25 / 49
Ⅳ 風呂はジェットコースター⑦
「君達に依頼したのは、郁巳の右足と左足の筈だが?」
「足は股に繋がっていて、股から生えているのは~」
ガクガク、ブルブル
ヘンゼルが震えている。なに言い訳するか、まとまらないまま口開いたな。
「すみません。イクミの陰毛が乱れていたので、つい触ってしまいました」
「ハァー?」
おいっ、グレーテル。
黒いな。お前の腹の中、真っ黒だな。
俺の陰毛が乱れているって、どういう意味だよっ
「切ったばかりだから、毛が散乱していたか。郁巳はボーボーだからね」
「ボーボー言うな!」
お兄様!
「お前はボーボーだろう?」
「……はい。俺の縮れ毛は、ボーボーの剛毛です」
「剃毛が途中になって、すまなかったね。お風呂から上がったら、剃ってあげよう。郁巳は、どうすればいいのかな?」
「大股開き!」
「そうだね。覚えていて偉いよ。
ツルツルにする予定だったけど、ご褒美にチョロっとひと摘まみ、陰毛を残してあげよう。
郁巳が大人になった証だ」
「わーい、嬉しいな」
……俺、とっくに大人~!
「私からのもう一つの、1ヶ月前誕生日プレゼントだよ」
「………」
陰毛が誕生日プレゼントって、どんなだッ♠
「郁巳?」
「………」
「郁巳、私の話を聞いているか?」
「……は、はい。お兄様。陰毛プレゼントが嬉しくって、つい♪」
今のままのボーボーでいたいんだァァー!
「そんなに喜んでくれるとは。お兄様も嬉しいよ」
………悲しい。
「陰毛、もうちょっと欲しいなぁ。お兄様♪」
ほんとは俺の陰毛。
「欲張ってはいけないな。お前は包茎だ。皮を被ったおちんちんに相応しい量だけ残そうね」
「はーい」
………俺……強く生きよう………
「……それで。そこの君はなぜ、郁巳の金玉に触ったのかな?」
ヘンゼル!時間は稼いだぞ。
お兄様への言い訳はできたか。
プシュウゥゥー
「もうしわけ、ご、ざ、い、マシタ★」
ヘンゼルの感情回路が壊れた!
ともだちにシェアしよう!