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長谷 潤一の苦悩の日々③
俺は自分を危険人物だと思う。
だから、入寮日翌日から起きている佐々木には部屋で会わないように細心の注意払っていた。
それは入寮日当日の夜のこと。
「なぁ、長谷も一緒に風呂行かない? 大浴場って本当に広いらしいよ」
風呂?! 一緒に?! 俺と佐々木が?!
無理だ!
「いや、俺はトレーニングを1日でもサボると体に出てくるから、トレーニングの後に行くよ」
「そっかぁ。じゃあ今度行こうな」
冷静を装って答えるが内心焦っていた。残念そうな佐々木の姿に申し訳なくなる。
「あぁ、そうだな」
無理だと思っていても、そう答えるしかなかった。
佐々木が風呂の用意をして出て行ってから、自分もトレーニング用のジャージに着替えて、雑念を払うように学校の敷地内をぐるっと回るように何周も走った。
自分の頭の中は佐々木で埋め尽くされて、どんなに疲れるほど走っても薄まることすらなかった。
闇雲に走り過ぎても良くないと思い、寮に戻る事にした。
外に設置されている時計を見たらもう日付けが変わろうとしている。
着替えは用意してあったので、その足で風呂へと向かった。
こんな時間に入る人物はいないようで、自分が出るまで誰も来ることは無かった。
家では足を伸ばして入る事は出来ないが、大きい湯船は足を伸ばしてもまだまだ余裕があった。
こんなにゆったりと風呂に入ったのはいつ以来だろうか。
あまり長く湯船に浸かるのは苦手なので、上がると寝間着を着て部屋へ戻った。
音を立てないように注意して部屋に入ると、思った通り佐々木はもう寝ているようだった。
真っ暗にすると眠れないのか豆電球は点いたまま。
しばらくするとその暗さに目が慣れてきて、佐々木の姿も見えてきた。
少し近づいてみると、佐々木は横向きにこちらを向いて寝ていた。
目を閉じるとそのまつ毛の長いのも鼻がシュッとしているのも強調されるようだった。
暑いのか掛け布団は掛けずに寝ている。腰にかけての曲線美がなんも言えない。
まるで履いていないのではないかと思うほど短い短パンから伸びる足はスラッとしていて、色素が薄いのかすね毛も殆ど生えていないようだ。
ずっと見ていられると思うが、そういう訳にもいかない。
名残惜しいが視線を外そうとしたら、佐々木が身じろいだ。
「んんっ…ぅん〜ん」
視線を戻したら、佐々木のTシャツが捲り上がっていて胸の突起がチラリと見えた。
その瞬間俺の下半身が反応を示した。
今まで部活の先輩や仲間から、何度となく見せられたHな雑誌の裸の女には一度も反応した事が無かったのに、佐々木の姿に興奮する自分がいる。
深呼吸をしても何をしてもそれがおさまることはなく、どんどんと硬度を増していくばかりだ。
風呂に入ってきたばかりだというのに、俺は部屋に備え付けられているシャワーブースに入った。
腹につきそうなくらい硬く反り上がったソレを握り込むと、目を閉じてさっきの佐々木が横になっている姿を思い出す。
強弱をつけながら一心不乱に擦る。
「んんっ、、、はぁ、はぁ」
頭に閃光が走るような感覚があり、力が抜けた。
目を開けると、壁に今自分が放ったものが垂れていた。
相当溜まっていたのか、ドロっとしていて濃いのが一目で分かる。
佐々木をオカズにして自慰に耽るなんて、俺は最低だ。
これから先、3年間もずっと同じ部屋で襲わずにいられる自信がなかった。
「初日からこれでどうするんだよ」
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