10 / 15

ちゃんと言わないと分からないよ?②

湯船から出て来ると明さんはそのまま僕を抱き締めた。 「怖い思いをさせて悪かった」 いつもの明さんだと思うと、それだけで幸せになる。 背中に手を回すと一際強く抱き締められる。 「抱きたい」 ストレートな想いを口にされると恥ずかしさでいっぱいになる。 「今すぐ」 服を脱がされていく途中で、まだなんの準備もしていなかったことに気がつく。 「待って。まだ準備してないから」 準備が出来ていないソコに明さんのを迎い入れるわけにはいかない。 「構わない」 「絶対にダメ! ベッドで待ってて?」 身長差から必然的に上目遣いになってしまう。 明さんはキスを1つ落とすと微笑んだ。 「なるべく早くな」 いつものニヤリと意地悪に笑うのとは違う、純粋な微笑みにズクンと下半身が反応してしまう。 「分かりました」 明さんが用意しておいたバスローブを羽織って出ていくと、脱衣所に用意してある準備道具を取り出す。 準備中は覗かないこと。 それは1番初めに決めた事だ。 破ったら1ヶ月はHなことをしないという決まりになっている。 だから安心して準備も出来るのだ。 いつものように準備を済ませると自分もバスローブを羽織って部屋に向かう。 さっきの様子では、おそらく何度もするんだろうなぁと思う。 部屋に入ると、部屋の半分くらいを占めているキングサイズのベッドの縁に明さんは腰掛けていた。 「遅かったな」 「これでも急いだよ?」 ベッドに辿り着く前に明さんに抱き締められる。 「待つ方は時間がゆっくりに感じるんだよ」 顎に手を置いて上を向かされるとキスをされる。 舌で唇を突かれて少し隙間を開けると、そこから明さんの厚みのある舌が入ってくる。 ピチャピチャと唾液が混ざり合う音に興奮してくる。 今でこそ無くなったが、明さんとHなことをし始めた頃はキスだけでイッてしまうこともあったくらいだ。 やっぱり明さんとのキスは気持ち良い。 下半身の変化はこのキスのせいで、これから起こることを期待してじゃないと自分に言い聞かせる。

ともだちにシェアしよう!