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第2話

「暴れんなよ。上手くすりゃ優しくしてやる」 生徒会室に入ってすぐに皇昴流は、織田信の制服のネクタイをほどき、それで信の両手首を後ろ手に縛った。 そして自分は牛革でできた会長用の椅子にどっかりと座り、脚の間に信を呼び寄せる。 「口でベルト外して、舐めろ」 信があからさまに嫌そうな顔をするのを見て、皇はにやりと笑う。 先程、自分が今惚れ込んでいる水森蘭にお前も惚れたのかと訊ねたところ 「どうやって会ったこともない男に惚れんだよ。そもそも俺は野郎抱く趣味ねえし」と嘆息していたので、彼には男の性器をしゃぶらされる経験などないだろう。 もともとは、信が蘭を気に入ったため、それで自分が邪魔になり排除しようとしているのだと思ったから、こうして罰を与えようとしたのだが……まあ違ったなら違ったで生意気な新顔を教育してやろう。 そう目論んだ皇は、行為を中断しなかった。 「お前ホモなのかよ」 「お前じゃない。昴流様、だ」 軽く頬を打つと、信はニヒルに笑って軽く溜め息を吐いた。 その様子になぜか、悪寒が走る。 いや、大丈夫だ。この男には退学の危機が迫っている。自分に逆らうはずがないのだ。 皇は、なかば自分に言い聞かせるようにして気分を落ち着かせた。

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