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第2話

それに万一信が歯向かってきたとしても、一応手は縛ってある。 余裕を取り戻した皇は、低い位置にある黒い頭を撫でた。少し癖のついた髪がさらりと指を通っていく。 「女が駄目って訳じゃねえけどよ……同じ男を犯すほうが、種として勝ってるみたいで愉しいだろ?特に信、お前みたいないけすかねえ野郎を抱くのは最高だぜ。見た目は全然タイプじゃねーがな」 「じゃあくわえるぞ、昴流様」 少し考えている間に前が寛げられていた。口でベルトの金具を外さなければならなかったはずなのに、かなり早い。 驚きに目を見開いた皇をよそに、信は淡々と下着から皇自身を取り出し、唇を近付けた。 大富豪の嫡男でありこの学園の生徒会長である自分の話を無視してさっさと一物をくわえた信に、皇は征服感からぞくぞくとした快楽を覚える一方、やはり信がすべて思う通りに動くわけではないのが業腹だった。 「………っ」 ぬるりと生温かい咥内に迎え入れられ吸われる感触に、皇は息を詰まらせた。 学園きっての男前で、タチと言っている以上は情けない声をあげたりはしないが、皇は反応が鈍い方ではなかった。 こらえているともいえる皇に対し、決して小さくはないそれをかなり喉深くまで飲み込んでいる信は、えずきさえしない。 頬の内側の肉までもが皇を締め付けにかかって、思わず喘いでしまいそうになるのを必死にたえる。信は息ひとつ切らしていないのに自分が乱されるわけにはいかないのだ。 「お、前……初めてじゃないな」 気が緩んで声が震えないよう慎重に尋ねた。 「興味ないとは言ったが、まあ…経験がないとは言ってないな」 「口離すなよ」 掴んだ頭をふたたび強く局部に押しつけると、信は低く呻いてまた大人しくしゃぶり出した。 そうだ、これだ。 今この場において、自分が絶対の支配者であると確かめさせる行為。 皇が男色をやめられない理由だった。 「………はは」 強烈な快楽に襲われた時、同時に下から笑うようなくぐもった声と微かな息が漏れ、揺れた空気が皇を刺激した。 なにを笑ったのかと黒い頭を睨むと、 「────な」

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