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第20話

「さあ、ご飯にしましょうか」 香苗さんの元気な声がリビングに響き渡り、慌てて、先輩から目を逸らした。 「香苗さん、ハヤシライス、すっごく美味しい‼」 「そう、ありがとう。うちの男共、美味しいも何もないのよ。ひどいと思わない」 香苗さん特製のハヤシライスに舌鼓を打つ僕を、先輩は終始笑顔で眺めていた。 「真尋、良かったわね。真尋ちゃんが来てくれて」 先輩のおばあちゃんも、薄々勘づいたみたい。 「五月蝿いな」 彼、真っ赤になって、そっぽを向くと、むしゃむしゃと、ハヤシライスを口に運んでいた。 「真尋ちゃん、真尋はね、こう見えても直矢たちーー真尋のお兄ちゃんとは違って、すごく、真面目な子だからね」 「あっ、は、はい・・・」 おばあちゃんにまで言われ、急に恥ずかしさがこみ上げてきた。 「真尋が困っているだろ」 先輩が助け船を出してくれて、 「ご馳走さま」 ぶすっとした表情のまま、席を立つと自分の部屋にそそくさと行ってしまった。 「真尋ちゃん、ほら、追い掛けないと」 「香苗さん、僕、先輩とそう関係じゃ・・・」 「そうかしら。学校で見る限りは、お似合いだと思うけど」 「おばあちゃんまで・・・」 家族公認で、後押しされ、どうしていいか戸惑っていると、ずっと黙っていた学園長先生が口を開いた。

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