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第25話

「何がそんなにおかしいんですか⁉」 「純真無垢なんだなぁ~と思って・・・」 先輩の大きな掌が、僕の小さな陰茎をスッポリと包み込んだ。 「ちょっと先輩‼やぁ・・・」 有馬さんにされたことが脳裏に蘇り、寒くもないのにガタガタと体が震えだした。 「お願い、手離して・・・怖い・・・」 握りこぶしを作って先輩の胸をポンポンと叩いた。 「少し触れただけなのに、先っぽからトロっとした透明の露が溢れてくる」 「先輩イヤだ」 ぶんぶんと首を横に振った。 「克服して貰わないと先に進めないだろ?」 「・・・ゃ・・・あ・・・っ」 先輩は手を離すどころか、そのままゆっくりと上下に動かし始めた。 彼の手は、火傷しそうなくらい熱くて、その手に揉むようにしごかれ、甘く痺れるような快感が全身にあっという間に広がっていった。 萎えていた僕のは、形を変え、嵩を増していった。 「っあ・・・そこやぁ・・・」 彼の熱が移ったのか、息が熱く、全身が熱い。 茎に絡み付く彼の手が鈴口に触れる度、裏筋を擦りあげてくる度、体の奥から熱が込み上げてくる。 「先・・・輩・・・」 自分が自分でなくなるのが怖くて、いやいやを繰り返した。 「怖くない、大丈夫」 額に唇が押し当てられた。 「一緒に乗りこえよう、なぁ、真尋」 「ーーうん・・・」 頷くと、キスが唇に触れた。 「愛してる・・・」 飾らない彼の嘘偽りのない告白が何より嬉しい。普段の意地悪な彼の姿はない。 彼と一緒なら、怖くないかも・・・。 でも・・・。 不安でいっぱいの僕の気持ちを察したのか、空いている手で、逞しい腕で、ぎゅっと抱き締められた。

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