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第28話
好き勝手な事ばかり並べて捲し立ててくるから、次第に腹が立ってきた。
「あの、増井さん‼」
「なぁに⁉」
「あなたみたく可愛くはないですけど、先輩は、僕の事が好きって言ってくれたんです。だから・・・」
「あっそう。まぁ、せいぜい捨てられないようにーー僕に寝とられないようにね」
人をバカにしてくすくすと鼻で笑っていた。悔しくて、上唇を噛み締めた。
「増井、そのくらいでいいだろ」
先輩が戻ってきてくれた。ハンバーガーとドリンクが乗ったトレイを僕の前に置くと、どかっと、隣に座ってきて、すぐに肩を抱き寄せてくれた。
「今彼大事にしろよ。我が儘な、高級猫のお前の面倒を嫌な顔一つせずみてくれているんだから」
「真尋あのね‼」
苛立ちを剥き出しにする彼のもとに、久喜さんが戻ってきた。
「何怒っているんだ?可愛い顔が台無し」
「五月蝿いな」
人懐っこい笑顔で、増井さんのぷくっと膨らんだ頬っぺたを指でツンツンしていた。
「あっ、そうだ‼今度、祭りに行かないか⁉ダブルデートしよう」
「真尋は、人見知りが激しいんだ」
「そこは、真尋の愛の力で。なぁ⁉」
「何が愛の力だ。バカか」
先輩、大きな溜め息を吐いていた。
「真尋くんはどう⁉」
「祭りとか遊びに行ったことないから・・・その・・・」
きっと呆れているだろうな。そう思いながら、ちらっと先輩の顔を見上げた。
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