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第30話

「嫁と姑の問題がないだけましでしょうーーまさか、お祖母ちゃんからそんな台詞が出るとは思わなかった」 「うん、そうだね」 夕食後、お風呂に入っていたら、決して一緒に入ろうとはしなかった先輩が、あとを追いかけてきて。今、どんな状況かというと、彼の膝の上に抱っこされ、一緒に湯船に体を沈めている。流石に恥ずかしくて、彼に背中を向け小さく肩を丸めた。真正面から、彼の裸をまともに見る事なんて出来ない。今にも心臓が飛び出すくらいドクンドクンと脈を打っていた。 「綺麗な肌--すべすべで・・・吸い付いてくる・・・」 「先輩・・・‼」 あちこち、彼の手が這い回る。何も身に纏っていない、無防備な状態で、触られたところから次々に熱が生まれる。 「駄目・・・せん・・・ぱい・・・っん・・・あ・・・・」 やんわりと陰茎をじかに握られ、びくびくと身震いした。しかも、背中にあたる彼の雄はすっかり屹立し、その存在を誇示し始めていた。 「真尋を迎えに行った時のあの姿が目に焼き付いて離れないんだーーこんな風に震えていたよな。真尋の裸見たらもう、我慢できなくて・・・ごめん・・・優しくするから、最後までしよう」 「せん・・・」 先輩と言うはずが、彼の長い指に顎を掬い上げられ、唇を塞がれた。 「増井とは、ほんの数週間だけーー勿論、えっちもした。でも、一度きりだ。信じて貰えないと思うが、俺が好きなのは、真尋・・・お前だけだ」 先輩の手が脇腹から下腹部、臀部へと滑り落ちていった。 「そこ・・・やだ・・・」 ぞわぞわとした感覚に思わず身震いした。 「先輩、そんなとこ触らないで・・・」 「なんで!?ここで繋がるのに?」 ねっとりと耳の中を舐められ、耳朶を軽く噛まれ、自分でも信じられないくらい甘ったるい声が上がって、慌てて口で押えた。 「真尋のもほら、硬くなってきた」 「言わないで・・・あぁ・・・っ・・・」 前を手で揉み扱かれ、後ろの秘所の出入り口を指の腹で撫でられ、あまりの気持ち良さに喘ぎ悶えた。 自分が自分でなくなるのが怖いくらい、先輩から受ける愛撫は蕩けるように甘くて。聞こえているかもしれない、そう思えば思うほど、気持ちが昂り、先輩を無意識に求める自分がいた。

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