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その後
今日は、待ちに待った彼との結婚式。
昨日までの荒天が嘘のような、雲一つない快晴に恵まれた。
「真尋、可愛い‼」
「広瀬家、自慢のお嫁さんだもの。当たり前よ」
「香苗さん、真尋は、私の大事な弟でもあります」
真姫お姉ちゃんとは紆余曲折あったけど、何度も会い、言いたいことを言い合い、喧嘩してーーお互いを許し、認め、姉弟として、これからも変わらぬ付き合いをするになった。
香苗さんともすっかり仲良しに。
「そういえば、有馬さんと復縁しないの⁉」
「はい。ふっ切れました。今は、真尋との時間を大事にしようと思って・・・姉らしいことを全然してなかったから」
「そっか」
「えぇ」
あのあと、メモがバレて大騒ぎになった。だから、彼が焼きもちを妬くから、有馬さんと会うときは彼と一緒の時にしか会わないことにした。
「ねぇ、真尋・・・」
真姫お姉ちゃんの手が、僕の両手を掬い上げるようにそっと包み込んだ。
彼とお揃いの真っ白なタキシード。
春の柔らかな日射しにキラキラ輝いている。
「真尋、良かったね。真尋さんと、幸せになるのよ。喧嘩したら、いつでもお姉ちゃんの所に帰ってきていいからね」
「真姫さん、心配しなくても俺たち喧嘩しませんよ」
彼、苦笑いしていた。
「真尋一途なので」
然り気無く割り込んできて、真姫お姉ちゃんの手を払うと、そっと手を絡ませてきた。
「そろそろ行こうか?」
うん‼笑顔で大きく頷くと、にこやかな満面の笑みで返してくれた。
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