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Ⅰ 愛の巣で朝食を 23

ハァっハァっ……ハァっハァっ あなたは、なぜ…… 「玄関でヤりたがるんだァァッ!」 「それはね……」 ゾクリと背筋が粟立つ、この感覚 「君への愛が止まらないからだよー!」 ムギュウー♥ 「ウギャアァァ~!」 背中から伸びた腕が首に回って頬を撫でた。俺の体が後ろから抱っこされる。 ハルオミさん復活★ プシューで撃沈した筈なのに~ あなたは不死身かッ 「仕事から疲れて帰ってきた私にとって、君は癒やしなんだ」 あなたは…… 俺の事をそんなふうに思っててくれてたんだな。嬉しいよ♪ 「だから、君と……」 俺と?(♪) 「一秒でも早く、繋がりたいよ」 ……………… ……………… ……………… ハァァァ~?? 「玄関で、私の暴君に串刺しにされる君さえいれば、仕事の疲れも吹っ飛ぶね。……君は白いプロミネンスを吹っ飛ばすんだよ」 やだ。 絶対やだ。 ギャーッ! うなじにキスするな。同意してないぞ。妻の意見を尊重しろ! 「新婚さん家庭で行われる『お帰りなさいのセックス』だよ」 「セセセッ!」 「セックス」 そう、それ。 ……って、納得してどうするッ 「新婚さんがするのは『お帰りなさいのチュウ』だァァーッ!」 「チュウくらいじゃ、私の性欲は収まらないよ!」 絶倫かッ! 「絶倫だよ」 「やかましいわっ」 あなたは間違っているぞ、ハルオミさん! 「玄関でセックスはしちゃいけないんだ!」 「ベッドまで待てない」 「絶倫か」 「絶倫だよ」 キランッ それ、さっき聞いた。 無駄にカッコいい流し目要らんからっ 「ご飯は?お風呂はどうするんだ?」 料理下手くそだけど。 一生懸命、作ったんだ。ハルオミさんと食卓を囲みたくて。 ………食べてくれないのか? 「君は、愚かだね」 「だって!」 ハルオミさんが、玄関でヤる事ばかり考えてるから。 「君が私のために作ってくれた夕食を食べない訳がないだろう?」 髪を撫でてくれる手が優しい。 「それじゃあ!」 途端、胸にかかっていたモヤがパァっと晴れた。 「玄関セックスはなしだな!」 「ヤるよ」 …………………………へ? なんつった?ハルオミさん 「私は日本国 副総理だ。この国の未来を担う政治家として、信念は貫かねばならない。 ……決めたんだ。朝、『行ってらっしゃいのセックス』が終わった瞬間から。帰ったら君をガン掘りすると! 私の信念は折れない。玄関セックスは決行するよ」 「待てーッ!!」 ハルオミさん!まず、副総理は関係ないな。信念の貫き方がねじれているぞ。 『行ってらっしゃいのセックス』ってなんだ? そんなものした覚えない! 新婚さんのするのは『行ってらっしゃいのチュウ』だ。 「チュウくらいじゃ、私の性欲はおさまらないよ」 「やかましいわっ」 それもさっき聞いたから。 無駄にカッコいい流し目もせんでいいっ 食事は? がんばって作った夕御飯、食べてくれないのか? 「繋がって食べようか」 …………………………へ?

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