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Ⅰ 愛の巣で朝食を 26

オートロックのマンションとはいっても、玄関は施錠している。 しかし、相手は反政府組織の人間。 その道のプロだ。 電子コードの施錠が焼き切られるのは、時間の問題である。 どうすればいい? 俺達の愛の巣は、高層マンション最上階 窓から、外への脱出は不可能だ。 部屋の出入り口は、玄関のドア一つだけ。 俺が(オトリ)になって、敵を引き付けてハルオミさんを玄関から逃がすしかない。 敵は何人だ。 何人待ち伏せている? 複数だろうか。なるべく多くの敵の目を、俺に向けなければ。 しかし、どうやって。 ハルオミさんと約束したんだ。 もう、人を傷つける銃は握らないって。 俺はハルオミさんとの約束を破るのか…… けれど。約束を破らなければ、あなたを守れない。 俺は再び、握るよ。 あなたとの約束を破って、拳銃を。 ……銃は、ベッドサイドの引き出しの中だ。 「わっ」 身を起こそうとして、突っ伏してしまう。 「離せッ」 「行かせないよ」 俺は、あなたを守りたいんだ! ………なのに。 「行かせないと言っただろ」 ハルオミさんの体の上で、俺の体が反転させられる。 逞しい腕の中に抱きしめられて、両足もハルオミさんの脚に絡め取られてしまった。 これでは二人とも身動きできない。 「あなたは、なにを考えてるんだッ」 一刻も早く脱出しなければならない、この非常事態に。 「分からないかい?」 ……ひと摘まみ 指先が陰毛を引っ張った。 大股開きの合図だ。 「こんな時にッ」 言いかけて、ハッとした。 こんな時だから、大股開きなんだ。 ………分かってしまったよ。 あなたの思考が……… シュヴァルツ カイザー あなたは人を傷つける事を、なにより嫌う。 俺達の……αとΩの戦争の時だって、そうだった。 あなたは、人を殺傷する銃を握らない。 あなたの握る拳銃は、麻酔銃だった。 だから。 俺ももう、銃を握らないって決めたんだ。 俺は、日本国 内閣副総理大臣 シキ ハルオミの妻だ。 夫婦は一心同体 ごめんね、ハルオミさん。約束を破ったりしないよ。 銃は二度と握らない。 銃を使わなくても、俺には銃に代わる武器がある。 そういう事だろ。 「分かってくれたようだね」 「俺は、シルバーリベリオン……」 違うな。 小さく(かぶり)を振った。 「あなたの妻だから。俺には、あなたの思考が読める」 「嬉しい事を言ってくれるね」 「当然の事だよ」 ガシャンッ 玄関のドアの電子コードが焼き切れた。 カッカッカッ 近づく足音は……一人だ。 ハルオミさんの体の上で、後ろから抱かれて促された俺は、これ以上ないくらい脚を割る。 大股開きだ。 「幸いにして、俺は早漏だ!」 いきり立つ昂りは、いつでも射出可能である。 「君の短銃が、私を守るよ」 ………短銃、なんだ♠ 否定できない♠ ニュルンと皮を剥いて、角度調整する。 アァ、ハルオミさんが俺のナニを握ってる。 ソレはあなたを守る、あなたのためだけのライフルだよ。 「短銃だよ」 このタイミングで思考を読むな、ハルオミさん。 ……………… ……………… ……………… ………短銃♠…だよ。 フッ、こんなところで俺の早撃ちが役に立つなんて夢にも思わなかった。 いつでもイケる! 今すぐイキたい! 「プロミネンスで、敵の目潰しをする」 「そうだよ。君は早いからね!10秒あれば十分だ。高速でこすってあげるよ!」 「アァアアァァァーッ」 イクぅぅぅ~~!! 「早すぎる!まだ敵は、この部屋に来ていない」 「だけどぉ」 ハルオミさんの手 絶妙なんだ。 俺の弱いところ、知ってるからァ~ 「イク、イク、イクぅ!!」 「暴発はいけないよ」 「らめぇ~っ、俺…早いの~」 「早漏なのは知ってるよ」 「イカせてーっ!熱いの!せぃえき、せり上がってきたァァーッ」 根元の戒めが塞き止める。 腰を激しく振るけれど外れない。 「限界まで溜めて発射だよ。いいね」 「ハウぁアー!」 ジュブジュブ ヌプヌプ 「出るゥー!早いの、そぅろーなのぉ!」 「私だって、ヌメヌメのピンクの亀頭にかぶりつきたい衝動を我慢してるんだよ。 もう少しがんばれるね」 「ウヒン……はぁい」 カッカッカッカッ 足音が近づいてくる。 3、2、1…… 「Achtung(アハトゥング)……」 「副総理ーッ!!なにやってるんですかーッ!!」 ガドンッ 開け放たれたドアの向こうに立つ人影 お前は……… 「ハラダ一等兵!!」 まさかっ 「暴漢の正体はお前かーッ」 「な訳ないでしょうッ!」 ……………………どういう事だ? 「……そう言えば。彼に留守番を頼んでたんだった」 ハルオミさん?…… 「チャイムを鳴らしても出なければ、勝手に入ってくれ……と、解錠の電子コードも渡していたよ」 「ハァァァー?」 暴漢なんて、最初っからいなかった…… 命の危機なんて、訪れてなかったんだ。 「これまでの緊張感はなんだったんだーッ」 「そんな事よりも、ナツキ」 そんな事呼ばわりするな! 本気で心配したんだぞ。 本気で俺は怒ってるんだ! 「君、大事なことを忘れてないかい?」 つんつん 指先がノックした。 俺の鈴口を!!! 「パンパンだ。せり上がってきたプロミネンスは、止められそうにないね!」 「ウギャアァァァーッ★」 「叫びたいのは、こっちだわーッ」 ハラダ一等兵! 「このエロエロ ドスケベ変態バカップルがァァァーッ!!!」

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