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Ⅰ 《おまけ+》32.5話『俺の名は……』前編

《おまけ+》 - Wie ist mein Name(ヴィー イスト マイン ナーム)?〔俺の名は……〕前編 - トコロテン、すまん。 お前に罪はない。 食べるの、後にしていいか。 体が、拒絶反応を起こしている。 無理。 白蜜だけは、かけたくない。 冷たい物でも飲んで、落ち着こう。 オレンジジュース、あるかな。 「………うっ」 冷蔵庫の扉の内側に目を移した俺は、絶句する。 「牛乳しか入ってないじゃないかァーッ」 嫌だ!白いものは絶対、飲みたくない。 「オレンジジュースくらい入れとけ」 果汁濃縮還元100%のやつ! ………ん? 「スクイザーがある」 キッチンカウンターに置いてあるガラス製のそれは、生搾りチューハイなんかで、レモンやグレープフルーツを絞るやつだ。 なるほど。 副総理の健康を考えて、生搾りにこだわってるんだな。 新婚さんは初々しいな。 喉も乾いたし、俺も搾ろう。 ちょうど、グレープフルーツがある。 搾るコツは、半分に切った果物をスクイザーの上でグルグル回しちゃダメなんだ。 指で果肉を押し潰して、果汁を搾るのがいいんだぞ。 「ウォッカ45ml、グレープフルーツジュース適量をビルド」 ビルドとは、グラスの中で材料を混ぜる事を言う。 俺は、元バーテン α-大日本防衛軍に入隊する以前は、バーテンダーのアルバイトをしていた夜の男だ。 ……フッ あの頃はよく、ソルティードッグを作ったものさ…… グレープフルーツの扱いには慣れている。 見よ! ソルティードッグを作らせたら、右に出る者はいないと言われた、俺の技を。 神の手を持つ、早搾り! 搾るのは得意だ!! ……『君の白蜜を搾り出してあげよう!』 …… ★!! ……『私の口は搾り出すのが得意だよー!』 寝室にも搾るのが得意な人がいたー★ 〈後編につづく♪〉

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