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Ⅰ 《おまけ+》32.5話『俺の名は……』後編

《おまけ+》 - Wie ist mein Name(ヴィー イスト マイン ナーム)?〔俺の名は……〕後編 - 「……嫌だ」 俺の神の手が拒絶反応を起こしている。 「グレープフルーツ、搾りたくない……」 ……………… ……………… ……………… こういう時は、あたたかい飲み物で気持ちを落ち着かせよう。 「……おっ」 早速、当たりだ。 見つけたぞ。たまたま開けた引き出しに、たくさん入っている。 黒、ピンク、青、緑、オレンジ、パープル、白 箱の中、色とりどりだ。 へぇー。こんなにもあるんだ。 紅茶って。 ティーバッグといえど侮れない。 これ程、様々な紅茶の種類があるとは知らなかった。 フレーバーティーだな。 一兵卒の俺には、なにがなんだか分からんが。 ピンクの包装がストロベリーティー。 緑がミントティーだ。たぶん。 「これにするか」 オレンジジュースが飲みたかった俺だ。 オレンジ色の包み、オレンジティーにしよう。 確か、てんつきの置いてあった棚にティーカップも入っていた筈だ。 あった、あった。 勝手に拝借……っと。 副総理ともなると、ティーバッグといえど紅茶まで高級品だな。 全然知らん銘柄だ。 外国製だろうか。 一兵卒の俺には、こういう機会でもなければ、縁も所縁(ゆかり)もない紅茶だ。 パッケージからして上品だ。 そこはかとない気品がある。 飲むのが楽しみだな♪ 「お湯も沸いてるし」 そうだ。 「副総理とシキ夫人の分も淹れてやろう」 あの二人……あたたかい物でも飲んだら、少しは性欲も収まるだろう。 ハーブには鎮静効果があると聞いた事がある。 ……とすると。 「あのバカップルは、これ♪」 緑色の包装 「ミントティーだ」 これしかない。 ミントで性欲鎮静とは……ちょっと笑える。 いかん、いかん。あんなんでも一応、副総理とその夫人だ。 笑っては失礼だ……ププっ こっちは後で淹れるとして……プププっ 「俺のオレンジティー」 いただきます。 ………………ビリッ 「なんじゃこりゃァァァーッ!!」 〈終章につづく♪〉

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