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Ⅱ 瞳の蒼②
そうさ。
俺は戦っているんだ。
相手のおびき寄せ、どう逃げるか。逃げ道を確保しつつ、相手の動きをどう封じるか。
相手の軌道を予測して動く。
鬼ごっこなんて、子供の遊びで片付けないでほしいね……
俺はシルバーリベリオン
そして相手は、思考を読み、思考を操るシュヴァルツ カイザーだ。
見えるか?
目にはとらえられぬところで、行き交う火花
目には見えぬところで、繰り広げられる……
策略 対 策略
俺達は走りながら、頭脳戦を繰り広げているんだ。
これはΩの尊厳を賭けた戦いだ。
「αは潰す!」
ハルオミさん、あなたも例外ではない。
否、ハルオミさん。
あなただから潰すのさ。
あなたの白いシャツ……いわゆる彼シャツに袖を通した俺を、黒ブーメラン一丁のハルオミさんが追いかける。
あなたなら、そこに走る。
見えているよ。
あなたの思考
あなたの動き
フハハハハーッ
一手先のその先まで、手に取るように分かる。
俺の夫である事が仇 になったな。
夫婦は以心伝心だ!
動きは見切った!
「君は本気で、私に勝てるとでも思ってるのかい?」
ハルオミさん、あなた得意の揺さぶりか?
「勝機のない戦いはしない。この戦争を始めた瞬間から、勝利は俺に約束されている」
「甘いね。この部屋は、君を閉じ込める籠だ。ここから出られない時点で、私の勝利は確定だ。君は籠の中の鳥だよ」
それはどうかな?
「甘いのは、あなたの思考だ。シュヴァルツ カイザー」
見つけてしまったんだよ。
俺の頭脳が、勝利の方程式をね。
閉じ込められたんじゃない。
俺が選ばせたんだ。
ここが俺達の戦場となるよう、あなたに!
「勝利への過信が、あなたの敗因だ」
フフ……
あなたは、俺より10歳上
フハハハハーッ
アラサーなんだよ!
体力で、若い俺にかなう筈ないだろう。シュヴァルツ カイザー!
「……それこそが君の過信ではないのかい?」
また揺さぶりか。
その手には乗らないよ。俺の計算に狂いはない。
「過信が、君を敗北させる」
カッと上がった藍の双眼が、均衡を打ち破る。
「アラサー黒ブーメランを甘く見てはいけないよ!」
でん★
「ギャーッ!」
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