51 / 292

Ⅱ 瞳の蒼⑬

まずいっ、まずいぞ。 まずすぎるーッ なんだッ、この体勢ーッ! ハルオミさんに捕らえられた両手が、頭の上に持ち上げられて、バンザーイ 大股開きの脚の間に、ハルオミさんを挟んでホールドしている。 非常にまずい状況に陥ってるじゃないか! ハルオミさんの悪戯な動きは封じる事ができた。……たぶん。 ……って~★ 「ファあンっ」 全然、封じていなかったー! ハルオミさんのこの動き。 俺の脚から脱出しようとしてるんじゃない。 俺にくっつけてる! 「アっハゥ」 密着の増した布地の下の重圧をグイグイ! 押し当ててくる。体重をかける確信犯だ。 外そう。 ホールドを解くのが得策だ。 「……まずは剃毛からだね」 「………………へ」 ハルオミさん、なんつった? 「ていもう?」 「ツルツルがいいかい?それとも、ひと摘まみだけ残して、包茎に相応しいチョロ毛にしようか」 「はぃいーッ?」 なんだ、そのッ 「ほほほっ」 「包茎だよ」 「うん、ほぅけー」 「そう、君は包茎だ」 「俺は包茎だ!」 ……って、なに言わすんだーッ 「君は剥くと、ピンクの亀頭がチャーミングな仮性だよ♪」 ハルオミさん。ピンク、気に入ってくれてるんだ♪嬉しいな♪ 俺のピンクが保たれているのも、パンツの摩擦から盾となり、身を呈して俺自身を守っている包皮のお陰だ。 仮性包茎で良かったよ。 皮は大事にしないとな! ……なんて思うかーッ 「君が童貞である事も大きいよ」 「~~♠」 「私のピンクのために、一生童貞でいてくれるね?」 「~~♠」 違うよ、ハルオミさん。あなたは間違っているぞ! 「俺のピンクは俺の物だァァーッ!」 「君のピンクは私の物!私の亀頭は君の物だよ!」 「ソコ!私の物じゃないのかーッ!」 「亀頭だけじゃない。竿も金玉も、君の物だよー♥」 「ギャアァァァ~~」 押し当ててズリズリしてくる~。リアルにハルオミさんの形を感じてしまうーっ 「……選びたまえ」 熱っぽい吐息が耳朶を舐めた。 「ツルツルがいいかい?チョロ毛がいいかい?」 イケボを卑猥に使うんじゃない。 「どっちも嫌ァァー♠」 「……正解だよ」 ハルオミ…さん? 「君は、どちらも選んではいけないよ」 指先が髪を一房、梳いた。 「ツルツルもチョロ毛も選ぶべきではない」 そうか! ハルオミさんは俺を試していたんだ。 最初から俺をツルツルにも、チョロ毛にもする気はなかったんだ。 夫の可愛い悪戯だね。 ハルオミさんは優しい。 妻の俺をツルツルや、チョロ毛なんて恥ずかしい姿にする訳ないじゃないか。 疑ってごめんね、ハルオミさん。 チュッ 耳元に顔をうずめる夫の頬に、口づけを落とした。 「ナツキ……分かってくれたんだね」 「俺の思慮が足りなかった」 「自分では気づかない事の方が多いよ。それを補うための夫であり、妻だからね」 そっか…… 「俺、ハルオミさんが夫で良かったな」 「私もだよ。君はアワアワしそうだ」 アワアワ……か。 ごめん、落ち着きのない妻で。 「君のアワアワに包まれたいよ」 俺の慌てっぷりに振り回されたいのか? それはよくないぞ。 俺がアワアワしたら、夫として止めてくれないと。 「二人でいっぱいアワアワになろうね」 「ダメだ!」 二人して、落ち着きのない夫婦になっては。 「ダメじゃない。君のボーボー陰部はアワアワに泡立つよ!」 ……………… ……………… ……………… ボーボー陰部 ……………… ……………… ……………… アワアワに泡立つ アワって『泡』ぁぁ~★ 「まずは背中からだ」 その次は胸、乳首、腹、脇腹、臀部、内腿…… 「そして陰部のこすり合いっこ!」 「はぃぃ~ッ?」 「アワアワに泡立った君の股ぐらの縮れた剛毛で、私の全身をくまなく洗うんだよー!」 「ナァァァーッ」 「君をチョロ毛にするのは、私の全身洗浄を終えてからだ」 「イヤあぁぁぁ~~!!」 ガシイッ 両脚がハルオミさんをホールドする。 夫を野放しにしたら、俺の未来はアワアワボーボー → (ジョリジョリ) → チョロ毛だァッ♠ ……つか、チョロ毛なのかッ! ツルツルじゃなくて、チョロ毛決定なのかッ! 「君の陰毛は私の物。私の陰毛は私の物だよ!」 「ソコは『私の物』なのかーッ!」 俺の陰毛は俺の物だァァァー!! ガシイッ 陰毛死守。 決して離してなるものか。 大股開きのホールドが、ハルオミさんを捕まえたぞ。 「なにやっとるかァァーッ、変態バカップルー!!」 ハラダ一等兵★

ともだちにシェアしよう!