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Ⅱ 瞳の蒼⑭

この部屋に、愛し合っている二人は俺達だけ…… バカップルって、俺達の事なのかーッ★ 「さっさと出てけー!」 ひどいぞ、ハラダ一等兵。 幾らなんでも。 「ここは俺達の愛の巣だ」 家主に出てけなんて。 「それでは、出ていく事にしようか」 なんで? ハルオミさん…… 俺達が家を出ていくのか。 俺達、家なしになってしまう。 愛のクイーンサイズのベッドもなくなってしまうんだぞ。 家なき新婚…… 流れ流れて日本海…… それでいいのか、ハルオミさん! 「出ていくよ」 「でもっ」 グイっ、と。 握った手を引っ張られて、ソファーから身を起こす。 「夫婦はいつでも一緒だよ」 ぎゅうっと抱きしめられた体が、ふわり…… あれ? 重力が変だ。 ……………… ……………… ……………… ナァァァァァーッ 足が床についてない! 俺の体、ハルオミさんの腕の中 宙に体が浮いている。ハルオミさんの顔が近い。 お姫様抱っこされてるー!! キャアっ、恥ずかしい~!! 「私達は誰もが羨むアッツアツ ホヤホヤ新婚さんだ」 チュッ 柔らかなキスが額に降ってきた。 「ハネムーンに出かけよう!」 えええぇぇぇぇーッ★★★

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