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Ⅱ 瞳の蒼 25
ハルオミさんが大好きだ。
夫婦になって、一緒に住んで、もっと大好きになったよ。
あなたと一緒にいられる時間が幸せ。
離れている時間は寂しいな。
議会だったり、地方遊説だったり。政治家の職務で何日も家を空ける事もあるから、ハネムーンと聞いた時、飛び上がるほど嬉しかったんだ。
公務を兼ねてだけど、ハルオミさんといつも一緒にいられるって。
すごく幸せを感じたんだ。
ハルオミさんもきっと……
同じ気持ちなんだよね。
ハネムーンをサプライズで計画してくれて、俺を喜ばせてくれて……
ハルオミさんも、俺との二人きりの時間を楽しみにしてくれてるんだよね。
ハルオミさんの気持ちを裏切れない。
俺はハルオミさんの妻だから、あなたを幸せにしたい。いっぱい笑ってほしい。
好きな人の温もりに触れたい。触れられたい。
あなたが大好きです。
だから、ごめんなさい。
背伸びして、あなたの唇にキスした。
ユキトと手を繋いだまま……
ユキトも俺の夫で、
俺を心配してくれている。
俺に優しくしてくれている。
ありがとう、ハルオミさん
ありがとう、ユキト
二人は、どちらも俺の大切な夫なんだよ。
だから。俺はユキトと手を繋いで、ハルオミさんと口づけたんだ。
「君はだんだんと私に似てきてね」
「夫婦だから」
仕方がない。
「あなたが言い出した事だ」
……お説教が嫌なら、あなたの口を塞げ。…って。
「卑怯な妻だ」
「わっ」
両脇に腕を差し込まれて、ハルオミさんに抱え上げられてしまう。
その拍子で握っていたユキトの手が離れてしまった。
「当然、その先の約束も覚えているよね?」
「……う、あ」
それは、その~
「どうしたのかな?顔が真っ赤だよ」
だって!
ハルオミさんにキスするという事は……
………………俺から、夜の……おねだりを。
ウキャーッ、恥ずかしいっ!!
ハルオミさんの顔、まともに見られない。
「今夜は覚悟するんだよ」
恥ずかしすぎるっ。
こんな時、なんて答えたらいいんだァッ
「答えられないなら、提案を変えようか。……君と子作りがしたい」
………ハルオミさんは、俺との子供が欲しいんだ。
「どうした?私は答えられない提案をしているかい」
サファイアの深い蒼が見つめている。真っ直ぐ、真摯に。
「もう私の口を塞ぐキスはなしだよ。君から答えを聞きたいんだ。
……私を愛してるって」
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