78 / 292

Ⅲ Attention, please!③

口の中から取り出した指を、胸に(いざな)う。 唾液で濡れた指に手を重ねて、胸の実をこねる。 ハァ……と熱い吐息が漏れて、甘くくぐもったうめきがついて出た。 「左の実は、私が頂くよ」 心臓の鼓動ごと、パクリ、濡れた口内に胸の突起が囚われてしまう。 「う、ハゥ」 ハルオミさんの舌が実を転がす。 チューチュー吸って甘噛みされて、ハァハァ荒い息を紡ぐ喉がのけ反った。 右の実は、ハルオミさんの手が俺の指を使って弄んでいる。 ……ううん。ハルオミさんは手を当てているだけだ。 俺の指が、こねて摘まんで、潰して引っ張って、乳首を慰めている。 ハァハアハァハァ 不規則な呼吸の狭間で、甘美な悲鳴が漏れる。 股の間にユキトが跪いて、いきり立つ俺のアソコにしゃぶりついてる。 シュボジュボ、卑猥な水音を立てて吸いつく。 ァアンっ……窄めた口の中をたぎる欲望の象徴が出し入れされて、唾液に濡れている。 舌先が鈴口をノックして、濃くて白いアレが出ちゃいそう! ハーモニカを吹くみたいに、血管の浮き出た竿を行き来した唇がが、チュウゥゥー! 張り出しのほとんどない先っぽを吸って責める。 「剥いてぇ~ッ」 剥いてくれたら、もっと気持ちよくなれるのに。 わずかに外気に触れている先端が、歓喜の涙を垂らして懇願する。 「ダメだよ。ナツキ、皮剥いたらすぐイっちゃうもん」 「がんばるからァ~。がまんするから、ユキト。おねがい」 「早漏、なおったの?」 「早いの。イキたいの~」 「じゃ、やっぱりダメ。剥かずに頑張ろうね」 「アヒン……ヤゥ」 いやいや、と首を振って下腹部に伸ばした左手は、呆気なく捕まってしまう。 「今度は左手と浮気かい?」 「ハルオミ、さん……」 そうじゃないの。 「皮剥くだけだからぁ」 「せっかくの可愛い皮被りなんだから、剥くのは勿体ないよ」 ハルオミさんが意地悪言う。 先っぽ出したら、もっと気持ちよくなれるのにぃ~ ちょこっと見えた先端からプクリと溢れた先走りの蜜を塗り込めるように、ユキトの舌が動いて、竿全体が口の中に閉じ込められてしまう。 アフぅ……ぬめった生暖かい口内が気持ちいいけど、足りないよぅ。 イクのに刺激が足りなくて、脈打つ快楽がドクドク、肉竿を苛む。 「またユキトの中に入ってしまったじゃないか。ユキトが余裕で咥えているよ。もっと大きくしないと、お口から出られないのかな」 「無理ィ~」 俺の、これでもう十分おっきいの。 俺の、ハルオミさんみたいなサイズになれない。 「俺の、小さいの。小さいけど、イク寸前でパンパンだからァ!」 限界まで膨らんでいるんだ。 知ってるクセにぃ…… アハゥ、膨張した熱ではち切れるぅー! 「おやおや、タマまで揺れてるね。気持ちいいかい?」 「イイ!」 「カウパーで陰毛が濡れて艶々だ」 「ユキトの唾液だから」 「嘘はいけないね」 薄く笑った藍の双眸が揺らめいた。 「さっき口から出た時に、鈴口からいっぱい垂らしていたのを見ていたよ」 「ヤァン!」 嘘をついたお仕置きだよ…… 爪の先が、プクリと膨らんだ胸の実を弾いた。 ……『いい眺め』 不意に背後から声が降る。 『雄穴ヒクヒクですね、統帥』 モニター越しの琥珀の視線 アキヒトに見られていた。

ともだちにシェアしよう!