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Ⅲ Attention, please!⑥

ハルオミさんが…… 雄の眼をしている。 雄の眼で、俺を見ている。 ハルオミさんが好き。 ドキドキする気持ちを抑えられない。 あなたが…… 「欲しい」 唇に当てられた指を、カプリと食べたけれど。 「それじゃあ、いつもの君だね」 「ンフぅ~」 咥えた指を舌で舐めてクチュクチュ、音を立ててしゃぶるけれど。 「それくらいじゃ、私の性欲は刺激されないよ」 散々俺の体を弄ったクセに。 恨みがましく見上げても。 さらりと微笑んでかわされてしまう。 どうすれば…… 「ヒントだよ」 仕方がないね……と、指先がおでこをつっついた。 「私がしたい事を君は分かっているだろう」 ハルオミさんのしたい事…… ハルオミさんの望む事 それは…… ハッとして目を見開いた。 口から指が引き抜かれた。 「言うんだよ」 怜悧な光が蒼くさざめく。 「君に望まれたい」 それは、俺がハルオミさんの子を望む……という事。 「なに言って!!」 ここには、俺達以外にも。 ユキトとアキヒトが。 二人の夫がいるんだぞ。 「だから私は迫っているんだよ」 どうして、そんな事言うの? 「私が、君に一番に望まれる夫になってはいけないかい?」 深海の蒼に囚われた体が身動きできない。 心音だけがトクトク、胸の奥で奏でている。 熱いよ…… 頬も体も。 あなたに見つめられている場所が全部、熱い。 「おかしいね。君に求められるつもりが、私から求めてしまっているよ……」 フゥと。吐息が耳朶を撫でた。 「こんな夫は嫌いかな」 首を横に振るので精一杯だ。 ハルオミさんを嫌う訳がない。 ハルオミさんが大好き。 「じゃあ、私を誘ってくれるかな」 優しく握られた手が導かれる。 ハルオミさんが熱い。 股間が膨張している。 『好き』の気持ちがいっぱい溢れてくる。 ハルオミさんが、俺で興奮している。 俺も…… ハルオミさんで興奮して、トクン、トクン、鼓動が胸の中で打ち鳴らしている。 入って…… たった一つの言葉が、俺とハルオミさんを繋ごうとしている。 ハルオミさんに来て欲しい。 中に入って欲しい。 濡れた唇が震える。

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