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Ⅲ Attention, please!⑫

「ナツキ、こっち向いて」 首に回した手が俺の顎を背後から持ち上げた。 「ユキ…ト」 「ありがとう。俺の名前、呼んでくれて」 でもね…… 「俺、欲張りなんだ」 もっと、ナツキが欲しいよ。 ブラックダイヤの瞳の中の俺。 お前の中に、俺がいる。 「ヒンッ」 刹那に快感が貫いた。 後ろじゃない。 前から…… 「よそ見はいけないね」 サファイアの中に俺はいた。

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