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Ⅲ Attention, please!⑭
『お尻までベチョベチョですね』
なっ……
「アキヒト」
『俺、仲間に入れてもらえないから、ここでじっくり観察させてもらいます』
「やっ、見るな」
モニターから遠ざかろうとしたけれど。
「ユキト!ハルオミさん!」
二人の体躯が邪魔をする。
「ダメだよ。ナツキ、暴れちゃ」
「どこに行くのかな。逃げ場はないよ」
この体格差だ。押し返す事もできない。
二人に挟まれて身動きできない。
これじゃあ、アキヒトに丸見えだ。
「……まさか」
ユキト?
ハルオミさん?
「この際だからね」
「あぁ、いいと思うよ」
兄弟は以心伝心だ。
俺の知らぬところで善からぬ事を企んでいる。
まさか!
「アキヒトにっ」
「そういうプレイもいいんじゃないかな」
「ナツキの体が悦んでいるからね」
ちがっ、俺はアキヒトに見せたいなんて!
『統帥、俺だけ仲間外れですか』
「アキヒト!お前、見たいのかっ」
『それは俺の質問ですよ』
……どういうこと?
『シコるの、見たいですか?』
「なななっ」
お前は一体!
「なにを言ってるんだァッ!」
『……なにってオナニー♪』
「おおおっ」
『オナニー♥』
そう、それ!
「おな、にぃ……なんて俺はッ」
そんなふしだらな行為を。
『見たいでしょ♪』
「にゃ」
『ほら、頷いた』
違う!
「ユキトがお尻を急に揉んだからっ」
「ナツキひどい。俺、揉んでない」
「じゃあハルオミさんがっ」
「嘘はいけないね。君のお尻には触っていないよ」
『統帥はすぐ人のせいにする。えっちで恥ずかしいコト大好きなくせに』
「ちがっ……にゃ」
『ほら、頷いた』
「違うんだ!」
ユキトとハルオミさんが。
「触ってないよ」
「夫を疑うのかい?」
でもっ、でもっ
「ナツキ……もしかして」
「君は……そういう事か」
えっ、えっ
ゾゾゾー
背筋に寒いものが走ったんですけど!
「「触って欲しいんだ♥」だね♥」
なぜ、そうなるッ
ウギャアァァァー!!
……『統帥、お尻ベチョベチョ。マン汁垂れ流して気持ち良さそ♪』
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