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Ⅳ お尻から生えたっ★①《リクシチュいくよー!》

ぎゅっと握った手、あたたかい。 大きな手…… 大好き。 ベッドの中にいる。 隣にハルオミさん、寝てる。 ハルオミさん、裸だ。 俺も。 そのっ、そ、そ……そういうコトした後だから…生まれたままの姿なんだ。 互いの体温のぬくもりを、一糸まとわぬ姿で感じている。 お布団の中。 ちょこっと手を伸ばして、そっと撫でてみる。 ハルオミさんの胸板、厚い。 もしかして俺にナイショで鍛えてる? 文民なのに、筋肉ついてるんだもん。腹筋割れてるし。 夫婦で隠し事はいけないんだぞ? 「あ……」 手を伸ばせば触れられて。 こんなに近くにハルオミさんがいるのは、ハルオミさんが俺を腕枕してくれてるからだ。 重くないかな。 腕、痺れてない? ほんとはもっと、こうしてくっついていたいけど…… 俺の旦那様に。 「ね?」 ハルオミさん。 ほっぺにチュっ ずっと俺を乗せてたら重いでしょ。腕、痺れたら大変だ。 名残惜しいけど、どかないと。 あ、そだ。 ついでにパンツもはいておこう。 俺のパンツ、どこだ? 布団の中かな? モソモソモソ~ ………………ん? 「んんん~??」 なんで、こんな所に~? 布団の中にコードがある。 充電か? ハルオミさん、なんの充電してるんだ? 邪魔だなぁ、コード。 片付けてしまおう。 ………………ん? 「んんん~??」 コココ、コードがァァっ お尻から生えている!! 俺のお尻からコードが生えたァァァーッ★★★ お尻からしっぽ………じゃなくてコードだ。 どうしようっ お尻からコード生やした妻なんて! ハルオミさんに嫌われてしまうッ 「コード、コード」 抜かなきゃ、コード。 ………………でも ムダ毛処理とはわけが違うんだぞ。 まぁ、俺。ちょっとハミ毛してるけど。 だけどそれは、ハルオミさんがちっちゃいおパンツ、はかせるからいけないんだ。 ……って、んな事どうでもいいわ! 今はコードだ。 …………抜いても痛くないかな? ちょっとくらい痛くても抜かないと。 コード生やした妻なんて、絶対嫌われる。ちょっとだけハミ毛してても怒らない(←寧ろ、ちょっとだけ喜んでいる)寛大な夫のハルオミさんだって、お尻からコード生やした妻は嫌うに決まってるよ。 ゆっくり、ゆっくり……抜こう。 そっと、そーっと…… 「もう。なんでコードなんて生えてきたんだろう」 ブブブブブゥ~ッ 「ヒャアっ!」 コードが動いたァァッ★ 「なんでー?」 「ローターだからさ」 ブブブブブゥゥウーッ お尻の中で丸いやつ、暴れるーッ! 「ハルオミさっ…んっ……起きて、た…のっ?」 ブゥウゥンンン~ッ 「君が質問したからね」 ブゥウウウゥ~ンン~ッ 「ヤぁーッ」 振動で応えないでー 「嬉しそうだね」 「なん…で?」 俺の中に。 「こんな…のっ」 「これの事かい?」 フフブウゥゥーンン~ッ 「ろーたァアン~」 「ローターだよ」 「ろーたァアフン」 「ローターだってば」 ハルオミさんが振動させるから言えないんだってば! 「君のせいでベッドが揺れてるよ。私を落とす気かい?悪い妻だね」 腰を震わせてしまうのだって、ハルオミさんが振動させるからぁ~ッ 丸いのが暴れてるー! 「君は大きいのが好きだと思っていたけれど。小さいのでも感じるんだね?」 「ろーたァアうン~」 「ローター。気に入ったのかな。ハネムーン中、ずっと中に入れていても構わないよ」 ブォオオゥゥウーッ 「アヒ」 ベッドのスプリングが揺れる。腰を突き動かしてしまう。 「いじわるしないで」 「君を可愛がってるんじゃないか」 「どうして~?」 お尻にローターなんて入れられたんだァァー?? 「君は、なにも覚えていないのかい?」 薄く微笑んだ藍の双眸 俺、どうして……こんな事になってるんだッ? 少し汗ばんだ髪を大きな掌が撫でた。 大好きなハルオミさんの手。 「君に思い出されるのは、ちょっと怖いかな」 ねぇ、ハルオミさん。 俺になにしたの?

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