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《断章》副総理だって主夫をする!⑤
あたたかい……
掌で包まれた温度と同じ温もりの飛沫が、鼻筋と頬を伝う。
頬からゆるゆる滑り落ちてきた白いそれが、唇に滴った。
特有の臭いと、独特のえぐみが………
………………
………………
………………
…………………………ない。
なんで?
甘いよ。
匂いも甘いっ
(どうしたんだ、俺ェェーッ??)
ハルオミさんの、せせせっ
………せっ、せ~
「精液かい?」
「それ!」
せーえき…までっ
「美味しいって感じるようになっちゃったのか、俺ェェーッ!!」
愛が味覚を超えた。
愛の力って凄い。
せーえきが甘いよ。
ペロン♪
唇に付着した白いの、舐めた。
ハルオミさん、俺……
あの苦くて!えぐくて!変な味の!
(せーえきが、あなたのだと甘くて美味しい)
あなたが好きだから、あなたのミルクさえ愛しい。美味しいと感じるほどに、あなたの卑猥なミルクを愛してしまったよ♥
「……ナツキ」
つん、と。頬っぺたをつついた指先が唇を撫でたから、ちゅぷりと咥えた。
ちゅーちゅー
ミルク付きの指をしゃぶっていると、ハルオミが頬っぺたに、チュっ……てしてくれた。
ねっとり、生暖かい舌の感触が這う。頬に付着したあなたのお汁を拭ってくれる。
「ハルオミさん……」
「ん?」
「ミルク、おいしい」
恥ずかしい。
でも言っちゃった。
「そうだね。愛情たっぷりのミルクだから、美味しいね」
うん。
ハルオミさんの愛の証なんだ。
嬉しくて、興奮する。
「けれど、ナツキ」
「なに?ハルオミさん」
「これは私のミルクだけど、私のミルクじゃないよ」
はぃ~??
………………
………………
………………
どゆこと?
一体なんの謎かけですか、ハルオミさん?
「私の精液ではないよ」
ええぇぇぇーッ!?!?
「それじゃあーッ」
なに?
頬っぺたの液体は?
……コツン
冷た……と思ったら、ほかほか、あったかい。固い陶器の、これなぁに?
「君があんまり後ろで悦ぶものだから、こぼしてしまったよ」
グリンっ
「ヒャウん!」
蕾の中、ハルオミさんの指入れっ放しだったー★
薬指で探り当てたイイトコロを押すものだから、歓喜の悲鳴を上げた腰が跳ねてしまう。
反動で額の……
マグカップから溢れたのは、白い……
「寝起きの君を起こそうと思ってね。作ったんだよ」
プニ
「ホットミルク♪」
痛くないけど。不正解だよ、って。
間違えた俺、お仕置きに頬っぺたつねられた。
「君の頬に跳ねたのは、」
「本物のミルク★」
通りで甘い筈だ。
柔らかい匂いだし~
グゥゥ~~
ギャー♠我慢しろ!
どうして今、このタイミングで鳴るんだァーッ
俺のお腹めーっ
くすくすくす
懸命に、こらえてくれてるんだろうけど~
思いっきり鼻息、首筋に当たってる。
ハルオミさんに笑われてしまった。
節操ない食欲のせいで、離婚になったらどうしよう~
「お腹、空いたんだね」
「はい……」
「昨夜はお腹がパンパンになったのに?」
そうだっけ?
お夜食は食べてないけど。
「いいよ」
ハルオミさんが許してくれた。
離婚の危機が回避されたぞ。
やっぱり俺の夫だ。ハルオミさんは優しいな♪
「昨夜は授乳体験させてもらったからね。またお腹いっぱい飲むがいいよ」
………………授乳???
ハルオミさんは雄αだ。
授乳できない。第二性にかかわらず、雄は母乳出ないぞ。
そのっ、俺だって。
Ωも同じだ。
……受精して、将来ハルオミさんの子を授かっても、子供は母乳の代替の粉ミルクで育てなくてはならない。
それをどうして、ハルオミさんは唐突に授乳なんて言い出したんだろう?
授乳できる訳ないのに。
「君と私で体験したじゃないか?」
ジジジィー
ジッパーを下ろす音が背後で聞こえる。
「昨晩ね」
アァアアアァァーッ!!
「私のミルクでお腹いっぱいになったね」
そそそー、それはァァァァーッ
授乳って♠授乳って♠
「昨夜君がちゅーちゅー吸って離さなかった、ちん…」
「アアアアア゛ーッ!!」
「いっぱいミルクを飲んで大きくなろうね♪」
もう大人!
俺、十分成長しました!
……ブルンッ
「ギャアァァァー!!!」
アレっ
ハルオミさんのが固い。おっきいアレの先端がクイクイって、頬を突っついてきた。
「お乳で張ってしまってる」
飲まないっ、飲まないっ♠
あなたの、あなたのォォォオ~♠
「さぁ、雄っぱいの時間だよ♥」
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